2018.04.30
中学生が「音楽の授業が週1時間になってしまいました」 と残念そうに教科書を持ってきてくれました。
教科書を開くと今も昔も変わらず最初のページに「はーるのーうららーの…」で歌い始まる滝廉太郎の「花」
4月のレッスンではみんなで歌ったり弾いたり、とても興味深く音楽を感じてくれました。
でもこれにはちょっと張り切りすぎた先生なのでした。
隅田川の川沿いに咲く桜の美しさ、言葉にできないほどその喜びを何に例えればよいのかと音楽で語っているのです。
ピアノの伴奏が始まっただけで「さあ歌うぞ!」という気にさせてくれますしね。
私たち世代は今でも忘れずに2部合唱にもできるほど歌わされたものです。
芸術的日本歌曲の第1号ですが、残念ながら滝廉太郎は23歳の若さで病気で亡くなります。
休日の夜、私たち姉妹はピアノの練習が終わると、家族でよく歌いました。
歌う時の母は身体中から喜びあふれていましたし、姉の伴奏の華やかさがとても羨ましかった。
そして今は入院中の母の枕もとでいっしょにそっと歌ってみました。
その笑顔の穏やかなこと…
娘が中学生3年の春、新学期の緊張をほぐそうと墨田川の川下りをしましたっけ。
船から眺める桜は、人々で賑わう川辺から見上げる花とはまた違って、自分たちだけが桜色の雲の中にいるようでした。
舟を降りて向かった先は長命寺、ここへ来たからには長命寺の桜餅を買わねば!
ちょっと疲れた夜には季節を問わず主人とこの曲をボリュームいっぱい流して歌うのが恒例です。アルト歌手、小川明子さんのお声に心がまた満ちてくるのです。
今日はみなとみらいの日本丸の帆が五月の風をいっぱい受けて迎えてくれました。
春の花が桜からチューリップ、そしてバラの花へと彩り移り華やぐ横浜です。
花の歌、風の歌 たくさんありますね。