2016.02.07
最近、若い方の文章にたくさん触れる機会がありました。
若い、と言っても千差万別。
問題点を正確に把握し、それについて論考かつ「自分の言葉」で語った心の琴線にふれるものから、「なおざり」と言ってもよいのでしょうか。ありきたりなことを、ありきたりな言葉で小器用に処理したチャラい文章。はたまた、ただ気づいたことを並列に述べただけで論旨の展開しない、つまり意味をなさない文章まで。
まさに文章は人そのものを表す格好の道具だなと思います。逆に文章によって誤解されることを恐れ「書く」行為を避ける方もおられるとお聞きします。
残念なことです。文章を使って誤解なく、正確に伝えるにはどうすれば良いか?
そのためには「形式を整える」ことが重要ではないか、と若い方々の文章に触れながら改めて感じたわけです。
形式とはなにか?
これは「起承転結」「序破急」という言葉で説明を受けた方も多いかと思います。
文章を書くにあたっては、思いつくまま、筆の進むまま、脈絡なくずるずると書き続けていくのではなく、まとまった文章のひとかたまり、つまり段落ですね、
この段落を3ないし4つ作る。さらにその段落の内容は「文章を始める・それを説明する・話題を転じる・まとめる(起床転結)」と展開していく、と。
実は「形式を整えるのが重要ですよ」と言うのは日本語だけの話では無いようです。以前フランス語で作文の授業を受けた際にもまったく同じことを指導されました。どの国の方であろうと、文字を使って思考する限り同じような方法になるのでしょうね。
形式を整えることでまず自分の思考が整理されていく。さらには多少長い文章、複雑な内容も相手に面白く読んでいただけ、意図が正確に伝わりやすくなる。そう考えると「形式」は他者と巧くコミュニュケーションするための強力な道具とも言えそうです。
さてこの「形式」、音楽にもあります。
西洋音楽における形式の筆頭格といえばやはり「ソナタ形式」でしょうか。
ピアノを始めて数年たち、楽譜は問題なく読める、早いパッセージもそこそこ弾ける、和音のつながりも感じられるようになった頃手にする古典派音楽の入門教材「ソナチネ」。この教材では「ソナタ形式」の理解が欠かせません。
えっ、音楽って綺麗なメロディを楽しく弾いてたら良かったんじゃないの?と頭が痛くなってきた方もおられるかしら。
でもこの「ソナタ形式」、とっても良くできているんですよ。
まさに「起承転結」「序破急」そのもの。
きっとこれって人間の思考の自然な流れなんでしょうね。
つまり、音楽家たちもまた形式を使って
言葉にならない想いを整理し、発展させて、人に伝える。
演奏者はその作曲家の想いを追体験し、さらに次なる人へと伝えていく。
ということで、やはり「形式を理解することは大事」と思い
今日は頑張って「起承転結」で文章を書いてみました(^^)
えっ?結びがなってないって。はい、スミマセン。