2015.08.15
昨日、大阪の国立国際美術館にて開催中の
ヴォルフガング・ティルスマン写真展『Your Body is Yours』に行ってまいりました。
ティルスマン氏は2000年、イギリスのターナー賞を受賞したドイツ出身の写真家。
各々の作品だけでなく、その展示の方法で注目を浴びているアーティストなのだそうです。
美術館地下一階の広い空間を小部屋上に仕切り
その壁いっぱいに大小様々な写真が一見脈絡なく展示されています。
最初の部屋に入ったところで、思わず笑顔になりました。
「まるで写真の森に迷い込んだみたい」
どの写真も鮮やかで、シャープで、静かな詩情を感じます。
何処にでもある景色なのに、どこにも無い世界。
道端の草、ホテルの一室、商業ビルの吹き抜け、パソコンのある仕事机、男、、、
それらが部屋から部屋へと移るたびに新鮮な喜びとなって飛び込んできます。
新しい部屋に入る瞬間が好きです。
その時、私に飛び込んでくる全体のイメージと、その中でもはっと目に留まる一枚の写真。
ここでは写真は鑑賞するものではなく、全身で感じるものになっていると思いました。
正直、彼の写真が理解できるのか、と問われれば否と答えます。
それでも、日頃の価値観、
正しいとか間違っているとか、意味があるとか無いとか、善と悪、美と醜、
そんなものを全部とっぱらって、ただ自分の感覚を信じて作品を受け止めてみる。
分からなくても良い。
でも気持ちが、体が何か反応するならそこには何かあるんじゃないかな。
そう思い、楽しんできました。