2014.04.06
熊猫音楽舎の生徒発表会が無事終了しましたのでその模様を紹介しておきましょう。
第一部はバロック時代の曲でプログラムを組んでみました。
この時代の楽曲は、実はピアノではなく
チェンバロで弾かれていたという事情に加え、
ポリフォニーという様式で書かれていることが多く意外と難しい、、、ようです。
何が難しいかと言うと。
ポリフォニーを弾くには頭の中に最低二人の人が居ないと上手くいかないんですね。特に今回、皆さんの取り上げた曲は
器楽的な要素が強く、メロディを素敵に弾けばなんとかなると言うような代物ではない。転調に翻弄されたり、指がつっかえたり、と多少事故は有りました。
でも!皆さん、アクシデントに負けず、諦めず、
強い気持ちで弾ききってくれました。実は、これが一番大事。
欲を言えば、それぞれの曲のお国柄をもっとアピールできれば、お客様により楽しんでいただけたかもしれませんね。これは来年の課題ということで。
第二部、今度はうってかわって19世紀周辺の作品群です。
こちらの方が時代が近いぶん、いくらか聞きやすいかもしれません。
「威風堂々」や、サティの「Je te veux」、「大きな古時計」など、お馴染みの曲を連弾で演奏していただきました。
そうそう、今回は兄弟姉妹で連弾された方も(通常は私がセコンドにまわることが多いのですが)。連弾の経験の少ないお姉さんと、まだ初心者の弟君。
練習を始めた頃はちょっと心配したのですが、なんのなんの、弟君は初めての発表会に物怖じせずしっかり弾いてくれました。そしてお姉さん、弟君のサポートをして息を感じながら一生懸命合わせてくれました。
そう、連弾には
相手を思いやる余裕と、なによりも
息づかいを感じることが重要ですね。
そして、このコーナーの最後には、普段あまり弾かれないコダーイの小品を、幼少時から指導させていただいている若者に弾いていただきました。
小品といいながら、リズムが左右で違っていたり、難しい和音がこれでもか、と押し寄せてきたり、でもパッションを持って弾かなくてはいけなくて、なかなか大変。彼女は、この難曲に地道に取り組んで仕上げてくれました。
【地道な努力!】
昨今、日本では死語になったんではないかと思うこの言葉。
でも、これが楽器の熟達には欠かせない。
この「かっこの悪いこと」。それを私はなによりも大事にしています。