2013.08.11
譜読みが終わって、さぁ弾きこんでいこうという時、ふと目にとまる
楽譜の隅の外国語。
これ、な~んだ!
そもそも、これはどこの国の言葉でしょう?
時々、中高校生の生徒さんにも同じ質問をするのですが、う~んと頭を捻らる事が多いので、以外と知られていないのでしょうか。
時代や作曲家によっても違うのですが、一番多く見かけるのは
イタリア語です
ね。これはルネサンス、バロック期の長い間
イタリアが芸術の先進国であった名残だと思います。その後、それぞれの国に個性のある音楽が生まれ、中には自国の言葉でメッセージを添える作曲家も増えていくようですが、それでも西洋音楽の第一言語は今でも
イタリア語と言って良いでしょう。
この短いメッセージ、
表情記号とか
速度記号とか言われるのですがどうされていますか?
大人の方でしたら、学校ですでに習ったかもしれませんし、お子様でしたら、楽譜のすみに丁寧な説明があるかもしれませんね。
でも、習ったけれども忘れてしまった、とか楽譜に説明が無いときは?
えっ、見なかったことにして弾いている?
あらら、もったいない!!
この短いメッセージは曲の雰囲気や、作曲家の意図をつかむ一番のヒントですから、必ず調べるようにしたいものです。
で、その時に活躍するのが「辞書」。
もちろん音楽辞典でも良いのですが私のおすすめは
普通の「伊和辞典」。
何が良いかって?
説明が面白いんですね。
たとえば次の速度記号。
Lento, Largo, Adagio
私のもっている、古〜い楽典の本ではすべて
「おそく」となっているのですが、伊和辞典によれば
Lento:のろい、おそい、間だるい、気長な、悠長な、たるんだ、張りのない
Largo: 広い、横幅のある、多量の、ゆったりとした、おおまかな、力強い
Adagio:ゆるやかに、非常にゆっくりと
とまぁ、随分色々な言い回しがでてくるわけです。
Adagioの言い回しの少ないのが残念ですが、これは、逆に言うとAdagioという曲想がすでに周知のものになっていると言うことかもしれませんね。
で、これらの沢山の意味と、曲とを見くらべながら
Lento、これはちょっとのんびりした感じで弾いてみようか、とか
Largo、これは大きな川がゆったりと流れていくような感じかな、とか
色々に想像を膨らませるわけです。
実は、この感じ方は人によって微妙に違うので、同じ曲でも生徒さんと意見が分かれることも、、、。といっても、この世にいない作曲家に電話して正解を聞くわけにもいきませんから、違っていても良いのです。
それよりは、
曲と向き合って、自分の感性に一番ぴったりとくる感情を探しあてることが大事だと思っています。
そのヒントをくれる、表情記号と速度記号。
分からないときは、是非とも傍らの辞書に手を伸ばして下さいね。