2013.05.30
初心者を終了して、少し長めの曲を練習しはじめると、曲の所々で :|| こんな記号を目にすることが増えてきますよね。
そう、
リピート(繰り返し)記号なんですが
、皆さんは繰り返しはどうされていますか?
発表会の時はリピートするけれどもレッスンではしない、とか、
レッスンではするけれども家ではしないとか、
あるいは全然リピートせずに弾いている、とか。
私はどうしているか、と言うと、意外とこれが難しいんですね。
もう
ケースバイケースとしか言うしかありません。
たとえば、これが歌の伴奏でしたら必ず繰り返しをします。
歌ではたいてい、繰り返すたびに歌詞がかわりますから、繰り返さないとお話が尻切れトンボで終わってしまいますよね。
難しいのは歌詞のない器楽曲の場合。
勿論、リピートの最後が変化する時(2括弧に入る時)などは繰り返します。が、変化なくそのままリピートするときなど、演奏時間や集中力を考えて、これはリピートを省略した方が飽きずに聞いていただけるだろうと判断する場合もあります。
逆に曲の構成を考えるとこのリピートは省略できないという判断になるときも。
恥ずかしながら、私自身長い間、この原則を曖昧にしてきました。
つまり安易にリピート記号を省略してきたということです。
この問題に関する、私の最初の記憶は音楽高校入試にさかのぼります。入試ではベートーヴェンのソナタの一楽章を弾いたのですが、試験ではリピートはせず、そもそも全曲ではなく途中(たいていは再現部)で止められる、というやり方でした。
実は高校だけでなく、その後の大学受験や、実技試験、レッスンでもリピートは省力していたように記憶しています。
そして、それが普通だと思っていたのですが、、、、。
普通では無かったんですね。
大学卒業後に何度か外国人演奏家のマスタークラスを受講したり、聴講したのですがその時
「日本人はみんなリピートをしないんだ〜」と嘆かれる声を何度か聞くことに、、、。
それで、遅ればせながらあらためてリピートをつけて練習してみると、これが大変なんです。
なにが、って
集中力が。飽き性に私にとって同じ事を二度繰り返すというのは、いえ、むしろそれを新鮮により味わい深い音楽になるように繰り返すというのは至難の業です。
でも、素敵な演奏ならば、何度でも聞きたいと思ってもらえるはず!それを目指して日々努力あるのみ!!
です。
ところで、どうして日本ではリピートを省略することが普通になっちゃたんでしょうか?
入試の効率?
短い時間で、上手な人だけを選抜するための都合?
確かに、ベテランの教師陣の耳ならば、数小節で、テクニックや適性など分かっちゃうんでしょうが、音楽の他の要素である構成力や集中力、楽曲全体を通して何を訴えるのか、そういう部分が抜け落ちはしてないかと、心配です。