2013.05.18
譜読みに多大な時間のかかる方、反対に楽譜が文字のようにスラスラ読めちゃう方。色いろおられると思います。
譜読みが難なく出来てしまう方に、羨望の思いを持った方もおられるかもしれませんね。
でも、そこに意外な落とし穴があるのはご存知でしょうか。
というのは、
音楽の醍醐味は
譜読みが終わった、そこから始まるからです。芸術の本来の姿は、なんと言っても創作だと思うのですが、昨今のピアノ演奏の多くは
『他の人によって創作された作品を、創作していない人が演奏する』形態なんですよね。
たとえばベートーヴェン、たとえばショパン、
たとえばドビュッシー、、、
皆私たちとは
違う国の、違う時代に生きた先輩達です。
彼らが彼ら自身の作品を演奏するなら、何の誤解も無いわけですが、
違う国の、違う文化の私たちが彼らの作品を演奏するわけですから、ある作業が必要になるわけです。
それは、人の心に寄り添うこと
この曲を創ったのはどんな人?
どんな時に、どんな気持ちでつくったの?
外国人の音楽が本当に理解出来るわけ無いじゃん、という意見もあります。
でも、そうかな〜、、、人間の本質ってそんなに変わるものかなぁ〜
確かに
ちんぷんかんぷんの作品もあるのですが、じっくりと作品に向き合っていると、あるとき
衝撃的にその作品の世界が、自分の世界と重なるときがあります。
いつもじゃないけど(正直) 時空を超えて、音楽で人と繋がる
で、譜読みが終わったところから、その大事な作業が始まるのですが、、
『譜読みが得意な方の落とし穴』とは、譜読みが出来たことに満足して作業をそこで終えてしまうことです。
もちろん、意識して、そこから本当の意味で作品に向き合えばよいわけですが。
反対に、じっくり、時間をかけて譜読みをしなければならない方は、時間をかけた分、譜読みが完了したときには、すでに作品がその方の血となり肉になっている場合が多いように思われます。
実は私も若いころ、譜読みが苦手でした。
でも、がっかりせず、譜読みが苦手なのを逆手にとって、音楽にじっくり向き合っていきましょう!そして、同時に、少しづつ譜読み力をつけて行けばよいじゃぁないですか!!