2022.08.05
先日、Facebook投稿の際、勢い余って「当教室では英才教育はしません!」と宣言をしてしまいました。いささか説明不足の乱暴な宣言であったと反省。もう少し踏み込んで私の考える「英才教育」について書いてみたいと思います。
広告を見れば「3歳から始める〇〇の英才教育」、「頭の良い子に育てる〇〇教育」、あるいは「絶対音感は3歳までに」等々の書籍の宣伝。また動画を見れば、「ピアノの天才少年!」「◯才のモーツァルト」の刺激的な映像。
私自身はそういうものを見るにつけ、深いため息をついてしまうんですね。
中には間違った情報(音楽家になるためには絶対音感が必要、というような)ものもあり、ピアノは早くに始めないといけない、と焦って教室を探している親御さんもいるのではないでしょうか。あるいは動画をみて「難しい曲を、早いテンポで、完璧に弾きこなす」のが正解だと思ってはいないでしょうか。
でも、厳しい言い方になってしまうのですが、これらは大人の都合なのかも。
私は幼児がピアノを習得していく際には次の3つの要素をバランスよく発展させていく必要があると考えています。
1、音楽を身体で感じる。
2、楽譜の仕組みを理解する
3、楽器(道具)の使い方を身につけていく
1は、歌ったりリズムを打ったり。そうそう、周りに溢れている素敵な音にみみを澄ますことも大事ですね。でも、この分野では子供たちはとても柔い頭をしていて、その感受性の豊かさにはこちらが驚かされます。
このまま育ってほしいなぁ〜、あるいはこの柔軟な時期を存分に楽しんで欲しいなぁ〜と思います。
2に関しては、図形を把握する力が必要となります。
当然、ある一定の成長段階になるまで理解するのが難しいこともあります。
これは分かるところから少しずつ、確認しながら進めていく、となりましょうか。
そして3ですが、本来ピアノは成人男性向けに作られた道具なんですね。
いま幼児の身体で難しい曲を無理に弾きこなすことよりも、身体と手が大きくなった時に無理のないタッチと身体の使い方ができることに目標を置いて、
長いスパンでトレーニングを積んでいくのが良いのではないかと考えています。
結論を書いてしまいましょう。
私の考える「英才教育」とは特別な教育ではありません。
子供と一緒に音楽をすること。子供と一緒に驚くこと。子供と一緒に発見すること。子供の成長を見守ること。
つまり、誰でもがアクセスできて、各々に合わせて学び、いずれ音楽が一生を通じての喜びや希望となるような「普通の教育」、それが私の目指すものです。
2022/08/06改訂