2013.03.17
先日、一篇の詩を朗読する機会がありました。
『空はいま、屋根の上に Le ciel est,par dessus le toit 』
ポール・ヴェルレーヌ Paul Verlaine
ヴェルレーヌは19世紀後半のフランス人。孤独で傷つきやすい(それは、同時に人をも傷つけるのですが)心の持ち主で、はちゃめちゃな人生の中から、うってかわって音楽的で優美な詩を生み出した詩人です。
私が朗読した詩は、愛人との喧嘩のあげくの傷害事件で監獄に入っている際に書かれたものですが、その窓、おそらく鉄格子の入った窓。そこから見える景色の中にヴェルレーヌの「後悔」や「憧れ」が重なって、柔らかな言葉の中から切なさが溢れてきます。
これを、フランス語で暗唱したのですが
つくづく
詩と音楽とは、兄弟姉妹のように似ていると思うのです。
♩ 詩にもリズムがあります。
♩ 選び抜かれた言葉は、その心情や背景を豊かに自由に連想させます。
♩ 詩人の心と、自分の心が共鳴すれば
自然、朗読の抑揚もかわってきます。
♩ 間の取り方、語尾のおさめ方で言葉にこめられた思いを
強く伝えることができます。
これらは全て、音楽と同じだと思うのです。そして
「詩と音楽」、その幸せな結婚がドイツの歌曲であり、フランスのシャンソンであり、そして日本の歌曲なんですね。
詩を学ぶことで、音楽もより豊かになるはず。
そう考え、今年の発表会では生徒の皆さんに
詩の朗読をしていただくことにしました。朗読する詩に関する曲も演奏していたきます。
登場するのは宮沢賢治、八木重吉、島崎藤村の詩など。
はて、さて、どんな会になることやら。とても楽しみです!