2020.02.21
1月にこのページで新年の抱負を書いてからひと月、まさかこんな状況に日本があるとは思わなかった、というのが今の心境です。
瞬く間に拡がったコロナウィルス。横浜に寄港したダイアモンドプリンセス号、そこから伝えられた日本の感染症対策の後れ。
日々駆け巡るニュースは、国境を超えて海外でも大きく報じられているようです。
わたくしのSNS上にも、多くの情報が行き交いました。中でもインパクトの強かったのは岩田健太郎氏の告発映像でした。
中には「日本政府の必死の対応を、悪し様に海外に発信する不届き者と」不愉快に思われた方もおられたかも知れませんね。
わたくし大いに気になったものですから、岩田氏へのインタビュー、野党議員によるヒアリング、氏のブログなどを片っ端から見に行きました。
そこで知ったのは未知の感染症と立ち向かうには
科学的根拠と既知の事例に基づいた細心の注意が必要だと言うこと。
逆に言うと十分な知識と技術を持たない方に指導権を渡してしまうと、死なずに済む方の命を奪ってしまう。
75年前の戦争の前もこんな風だったのでしょうか。
国力の分析から負け戦になる可能性が指摘されていたにも関わらず、突っ込んでいったあの戦争。
知識や分析ではなく、声の大きい人の意見が優先された時代。
情報が隠され、あるいは歪曲されて国民に伝えられた時代。
他国への差別感情の蔓延した時代。
そんな指導層が支持された時代。
私は音楽をするものとして、感性を大事にしてきたつもりです。
楽譜の中から聞こえてくる色とりどりの囁き、それを感じ取る柔らかな心。
でも、情に流されてはいけない状況もあると思うのです。
もっと言うならば、ときに情は弱さに通じると。
特に人の生き死にがかかっている状況、姿の見えない未知の敵と闘っている状況では、情や感性に流されてはいけないと。
必要なのは、科学的な根拠に基づく知見。
そして官僚には、それを持っているスペシャリストが存分にその力を出せる環境を整えて欲しいと思いました。
岩田教授の指摘したことの多くは、現代日本の社会問題とリンクすることばかりでした。コロナウィルスはまだ入ってきたばかり。
油断は禁物ですが、これは日本社会が変わるチャンスであるかもしれません。
それでは皆さん、体調に気をつけてお過ごしください。