2018.01.05
次なる目的地は浦添ようぞれ。
「よ(ゆ)うぞれ」は夕凪の意。ここには首里城以前の城跡(グスク)と王墓があるとか。
遺跡好きの身としては気になるところです。
が、ガイドブックの写真で見るとなんだかショボそう。
まあ ついでだし見とくか、くらいの軽い気持ちでした。
タクシー運転手のおじいも
「浦添ようぞれまで来る人は珍しい。僕も20年ぶりくらいかな〜。」
とか言いながらひょいひょいと住宅街に入って行く。ほどなく到着。
資料館は正月休み。
あら〜残念、と言いつつタクシーを降りるとおじいも後ろから付いてくる。
どうやら、ガイドをしてくれる気配。
山肌の細道を歩きながら
「えらい変わったな〜
こんなに整備されてるとは思わんかった。
昔はもう、そのまんまで〜」
とか言いながらどんどん進んでいきます。
どうも おじいが一番感心している様子。
墓は石灰岩の山肌をくりぬいて墓室をつくった簡素なもの。
質素とはいえ、玉陵(首里の王墓)の原型をなすものとしてなかなか興味深い。
何も知らない私のために、おじいがざっくりと琉球の歴史を話してくれます。
ここからも遠く東シナ海が見えていました。
聞けば、ここも沖縄戦の激戦地だったとか。
「アメリカにしたらここにお墓があるとは思わんもんね。
ここもバンバン攻撃したんよね」
(遺跡を破壊するって、何してくれんねん。アメリカ)
その米軍は先に訪れた嘉数台地を攻略した後、ここ前田高地(浦添城址)を攻め
次で首里の日本軍司令部に向かって行ったのですね。
「激しい戦闘で、気が狂った米兵もたくさんおったらしいよ」と。
訪れる人の少ない城跡で草花が静かに風に揺れていました。
(続く 首里城へ)