私の好きな曲⑪ 猫の二重唱「Rossini - Duetto di due gatti 」
2015.06.08
ロッシーニせんせーの作。
歌詞は「ニャオ」もしくは「ミャオ」のみ。
曲の始まりは短調。厳かである。簡単なピアノの和音伴奏で始まる。生きるべきか?死ぬべきか?ナポリの六度がメロディーの陰影を強調する。
後半は長調に変わり、猫のコロラトゥーラ。華やかなエンディング。見事な構成。3分ほどの小品できちっとまとまっていながら劇的。人生(猫生)の光と影を生き生きと表現している。
この曲では歌い手は決していい声を出してはいけない。ついついビブラートなどかけてしまおうものなら猫の心のひだを表現できない。
また、この曲は二人で演奏されるのだが会話のように歌わなければならない。会話の内容は人生の重大事でなければならない。(人生の重大事とはもちろんご近所の噂話などのことである。)よってこの猫はちょっと年増のカロリーたっぷりのご婦人風でなければならない。
それになぜかこの曲には「なんだかやばい」雰囲気が漂っている。聴衆はそれを無意識に感じる。だから「にゃお」と言う度に笑う。その「やばい」が何かは聴いている人それぞれだ。
みんな共通の「やばい」をここまで描ききるとはさすがロッシーニせんせー。 そしてそれをここまで表現できるのはカヴァリエをおいてほかない。
あやしげなまなざし…ロッシーニ先生晩年の曲http://pnet.kawai.jp/602574/topics/57312/
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