2014.03.24
指使いって面倒ですね。
一生懸命弾いて、音符もリズムも合ってたのに注意されたりして…
指使いの大切さにはいくつか理由があります。
●ピアノを弾く手の形を育てる
左手で和音を弾いてみましょう。“ドファラ”を指番号で下から「⑤③①」と弾いた場合と「⑤②①」と弾いた場合。これはよくある間違いで「⑤②①」が正解です。「⑤③①」では手全体が左に傾いているのが分かります。これはひとが物をつかむ時の手の形に近くピアノを弾くには向きません。
鍵盤と手のひらが平行に向かい合うのがいい形ですから、つかむ形で練習していても弾きにくいばかりかいつまでも手の形が育っていきません。常に指使いに気を配り、正しい指で弾くことがピアノを弾く手の形を育てるのです。
●適した音色を与える
だいぶ上達してくると、指使いでいろんな音色を弾き分けます。長くのばす印象的な音、繊細に奏でる音、地中からわき上がってくるような音、ぐーの手で弾くことだってあります。
ショパンのノクターンやマズルカは指使いの勉強に適した部分がたくさんあります。ショパン自身も④や⑤の指をあえて鍛えようとは考えず、その指の個性を大事にしながら作曲していたそうです。
こうしたいろいろな理由から、指使いはとても大事です。しかし手の形は人それぞれ。適した指使いは決して一つではありません。また、指使いが書いてない楽譜、書いてある楽譜、そしてその中でも編者によって様々なパターンの指使いがあり、私はいろいろな版を見比べて検討します。
自ら考える番号が最適な場合もあります。学生時代の恩師はいつも「自分の指使いを鉛筆で書いておくこと」とおっしゃっていました。以前さんざん悩んだ部分が、久しぶりに楽譜に向かったときに「こんなパターンもあったとは!」と、意外ないい指使いにばったり出会ったりするからです。
楽譜を深く読むことは大変ですがそれもまたいい音楽を作り上げる過程での楽しみでもあります。
http://www.kawai.co.jp/pnet/602574/topics/20474/ ♪楽譜を深く読む(その1)
http://www.kawai.co.jp/pnet/602574/topics/20739/ ♪楽譜を深く読む(その2)
ピアノをがんばっている子どもさん達もぜひ大人になってもこんなふうに弾けるまでの努力の時間を楽しみながらピアノを弾いていってほしいと思います。
だから、ごめーん。レッスンで指使いを注意してもがんばって~
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