2013.10.07
ドビュッシーが作曲した「月の光」は、「ベルガマスク組曲」の中の一曲です。ポール・ヴェルレーヌの詩集『艶なる宴』に収録されている詩「月の光」をもとに作曲されました。
仮面をつけて月明かりの下で踊る喜劇役者の哀しみ…ヴェルレーヌの詩の悲しい美しさ。たとえお金と時間がたくさんあってもうつろな、むなしい感じがこの曲には反映されています。
~幸せを信じてはいないあなたの声が
差し込む月の光に溶けてゆく~
幻想的な響きが素敵な、生徒さん達に人気の曲。大人も子どももそれぞれの月へのイメージを持ってこの曲を楽しまれます。ベートーヴェンの「月光」とは全く違ったタッチで弾くと同じピアノでこうも音色が変わるかと驚きます。2曲同時期に練習するとタッチの練習になりますね。
ところで日本人は待宵、十五夜、十六夜、立待月、居待月、寝待月、と月の出が少しずつ遅れ月を待つ姿勢が変わるところから月に日替わりで呼び名をつけています。月の魅力に心動かされ、時のうつろいを繊細に表現する日本人の感受性の細やかさを感じます。
また、相対性理論で有名なアインシュタインは宮城県の松島に昇る月を見て「おお月が…おお月が…」と言ったまま絶句したといいます。月とは物理学者の心をもとらえるほど、かくも魅力的です。
天体としての月は地球からの距離は38万㎞、旅行にかかる所要時間は1.3光秒。もし何かの理由で月が地球から2万mの距離にまで近づけば、月の引力の関係で地球の海面が上昇してポニョの世界になってしまうわけです。月と地球がほどよい距離にあり、地球の潮の満ち引きがあればこそ、生命が誕生したといわれていますから、今私がこうしていることさえも奇蹟のように思えてきます。 何にしても、月は地球と音楽にとってなくてはならない存在のようです。
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