2013.09.30
秋になり朝晩の気温が下がると月の光が冴え冴えとしてきます。今年の十五夜の月はとても美しかったです。
月の曲はピアノ曲では、ドビュッシー「月の光」、ベートーヴェンピアノソナタ「月光」、歌曲ではフォーレの「月の光」などが有名です。どれも月無しには生まれなかった傑作です。他にも月にまつわる曲、月と名のつく詩に曲がついているものはたくさんあり、月は音楽へたくさんのインスピレーションを与えています。
月の光は青白く美しいけれど、どこかその影は意味ありげです。物事を昼間よりゆがめているのでしょうか?樹も雲もひんやりした空気も、太陽が出ている昼間とは違った意味を持っているように思えてきます。《ファウスト》の中にも、「おお、視るがいい、皎々たる満月よ いまわのきわのおれの苦しみを」と述べるところがあり、月というものが危うい気持ちに人を引き込む場面があります。人の神経は、そんな昼間とは違う平衡感覚にあやつられてしまいます。
ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」は作曲者がつけた題名ではないことが常に問題になりますが、父の死に対する想い、または死というものへの嘆きで作曲されたと言われています。そして彼は《ファウスト》を作曲するかどうか考えていた時期があったそうです。
月が死というものを呼び覚ます、または常ならぬものを連想させるといったことと無関係ではないということから、案外そのニックネームも的外れではない、という研究者もいます。
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