私の好きな曲④ カルーゾ「Tony Cetinski – Caruso」
2013.06.10
「Tony Cetinski – Caruso」
エンリコ・カルーゾは“カルーゾの前にカルーゾなし、カルーゾの後にカルーゾなし”といわれた名テノールです。イタリアのオペラ界の頂点に立ち、さらにアメリカで世界的な歌手となりました。メトロポリタン歌劇場で活躍し一世を風靡しましたが舞台上で喀血し療養のためナポリに戻ります。しかし残念ながら48歳で生涯を閉じました。
「カルーゾ」という曲はその時の壮絶な病気との闘いを1986年にルーチョ・ダッラが歌にしたものです。死を目前にした世界的大歌手の愛と死にゆく思いを、ナポリの港の夜景を背景にドラマチックに描き出しています。
歌詞…
海は輝き
風が強く吹きつける
ソレント湾に面した古いテラスで
カルーゾは恋人を抱きしめている
涙を流した後でアメリカでの夜を思い歌い始める
月を見ると死さえも甘美に感じられた
恋人の瞳は海のように碧く
その中で溺れてしまうほどの涙が溢れ落ちた
オペラの力は作り事で
人を虚言の中に引き込む
だけど
恋人の二つの瞳は真実を見透かす
アメリカでの成功は人生においての些細なこと
ひとの命は儚い
僕はあなたが大好きだ
とても、とても好きだ
この絆は体中の熱い血さえ溶かしてしまうんだ
どんなに大きな栄光を手にしても人生は儚い…その通りですね。幸せな人生だったかというのは、最終的に“人にどれだけたくさんの愛を与えられたか”ということかもしれません。この曲はパヴァロッティーの有名なレパートリーですが、最近Tony Cetinskiという歌手が歌っていてあらためてとても好きになりました。
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