2023.01.31
☆ティンパニ☆
打楽器。音のピッチを変えられる太鼓。
ベートーヴェンによってこの楽器の可能性が深まり、管弦楽において重要な役割を担っている。2個をセットで演奏するが現在では3個以上使用される場合が多い。
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ティンパニの難しさのひとつはピッチの問題です。演奏中楽器に顔を近づけてそっとたたきながら音程を合わせているのは、湿度や温度ですぐに狂ってしまうからです。しかも叩く面の場所によってピッチのまだらがあると音質に影響してしまいます。
また、しばしば現れる長い休符は曲の完璧な理解を要求します。(休みを数えていなくても流れを理解していて長い交響曲のどこからでも入れる)他にもリズム感、オーケストラ全体の和音のバランス感も大事です。
そして何よりも不可欠な能力は、指揮者の求める音を絶妙のタイミングと音色で出せることです。
単純に言っても、指揮棒が上向する時に叩かれる音と、下に振り下ろした時に叩かれる音は違います。様々なシーンに反応してその響きはある時は偉大なものの象徴のように高らかに、またある時は絵画で白い肌を表現する時に下地に塗ってあるブルーやグリーンのように背後から響きます。指揮を的確に読み取り、瞬時に反応してその場の曲想や和声に合った叩き方をすることで、ティンパニ奏者はオーケストラが作る和音が最終的にどう響くかを形作っているのです。
ティンパニは、ベートーヴェンの交響曲やブラームスの交響曲など多くの楽曲で堂々とした響きを聴かせます。
反対に、《家路》と呼ばれるドヴォルザーク作曲の交響曲第9番“新世界より”第2楽章では、優しさや美しさをもって響きます。序奏部で管楽器が空間に美しく差し出したドヴォルザークの世界に挿入されるティンパニが、感動をより深く、重量感をもって確信させます。イングリッシュホルンのソロを迎え入れる最高のおぜん立てとして終止和音を受けて鳴らされる、あの幸福感、安堵感はティンパニ無しには考えられません。
恐れを表現するかと思えば幸福感を表現し、闘志を燃やすかと思えば美しい夢の行先を見させる多彩な響きは、すべての情動を網羅しています。
指揮者の表現したい音楽になるかはティンパニ奏者の一撃にかかっていると言っても過言ではないのです。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室熊本