2022.12.24
ヨーロッパの聖ニコラウス祭は、サンタクロースの起源となった聖者ニコラウスと従者たちに扮する大人が、村の子供たちに信仰心や善悪を教えるクリスマスのお祭りです。
村の子供たちは、目の前の白いひげの人は本当の聖ニコラウスだと信じているそうで、お祈りの言葉を暗唱したり、歌を歌ったりしていい子度を熱烈アピールしてプレゼントをもらいます。
しかし小さい子供ながらに日常生活の審判を受けるちょっとこわい日でもあります。聖ニコラウスは怖い従者をたくさん引き連れていて悪い子を罰するからです。従者と日本のナマハゲはなんだか似ています。
どの国の子どもたちにとっても“悪を戒める”“恐れを知る”ということが大事なことだからかもしれません。怖い従者がちょっとでも驚かすと真剣に泣いて怖がる様子はかわいいですね。
さて、ドイツ人作曲家シューマンの書いた子どものための作品集【ユーゲントアルバム】の中に『サンタクロースのおじいさん』という和訳の題名の曲があります。ウキウキする曲かと思いきや、出だしからしておどろおどろしい怖い曲です。
それもそのはず、原題には”サンタクロース”という言葉はなく、直訳は『従者ループレヒト』。従者ループレヒトは聖ニコラスの従者で、先ほどのナマハゲのような存在です。シューマンはこのこわい従者を描写したようです。彼も「いい子にしないとループレヒトが来るぞー。」と言いながら子どもたちと楽しいクリスマスを過ごしたのかもしれません。
私は簡単なクリスマスの曲を冬休みの宿題に出し「クリスマスにおうちの方に弾いて聴かせてね。」と伝えるようにしています。クリスマスの曲にはいろいろありますが、『きよしこの夜』や『ヒイラギかざろう』などすぐ弾けるアレンジのもので、ピアノの生演奏でクリスマスを楽しむことで、ピアノが生活の一部になっていけば、と思っています。
先日、生徒さんのお母さまがプレゼントに悩まれているお話を伺っていて、私も子供たちが小さい頃は、クリスマスに欲しいプレゼントの写真をサンタさんが見えるように窓に貼っておいたことを懐かしく思い出しました。
生徒さん方も皆さん温かい愛と音楽に包まれて、いい子で楽しいクリスマスを過ごされることでしょう。平和な夜を…。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室熊本