2022.11.14
わあわあ泣いている子どもの声が神社から聞こえてくると、「ほう、しっかり自己主張しているようだな。」と微笑ましくなります。
秋晴れの七五三の賑わいは幸せな気持ちになります。元気に育ってほしいという願いは昔も今も変わりません。可愛くしてもらってうれしそうな子もいれば、動きの取れない晴れ着に元気なエネルギーを阻まれて、大声で泣きながら抱っこされている子もいます。
レッスンでも自分のやりたいことをどんどん主張してくるお子さんもいます。レッスンがはかどらなくて大変なのですが、この“自分を表現する力”は意外と音楽を演奏するのに必要なのです。
いいな、と思う演奏には必ず表現力があります。ただ書いてある音符を弾くだけでは聴いている人に届きません。悲しい曲には心を痛めて、楽しい曲にははじけそうな喜びを込めて、愛が溢れる曲にはありったけの愛を…。心の底から感じて音に注ぎ込みます。
自己主張が激しいお子さんの親御さんは悩みますが、私はそんな時「そういう子どもさんはピアノに向いているんですよ。」とお声かけします。弾けるようにさえなれば、あとは本人の内面から自然と表現が出てきます。音楽は聴くことも心を癒してくれますが、更に演奏という自己表現は、ストレスや悲しいことも吹き飛ばしてくれます。
とは言っても、おうちでの練習は難航しがち。保護者の方と連携を取ったり、練習ノートを工夫したりして、なんとか毎日の練習習慣が身につくように工夫します。
七五三で泣いている子どもさんは自己表現の真最中。平和な秋空の下では、子どもたちは安心して泣いたり笑ったりしているように見えます。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室