2020.05.10
HEART「今日からzoomでのオンラインレッスンです。急に暑くなりましたね。皆さん体調はいかがですか?」
芳美「私、4月から会社の仕事がテレワークになったんですけど最近身体がだるくて…。通勤時間の分たくさんピアノが弾けるってはじめは喜んでたんですが、ずっと家にいると案外弾く気分にならないっていうか…。」
H「家から自由に出られないのは精神的につらいですね。」
芳「それですっかり指がなまっちゃって…。」
H「お気持ち次第ですが、平均律第2番ハ短調はいかがですか?プレリュードはバッハが息子の指の訓練のために書いたんですよ。」
明夫「僕ちょっと練習してみました。えらーい弾きにくかですなー。特にPrestoからが手も足も出らんですばい。」
H「バッハの速度表記は第10番ホ短調の時お話ししたように、“速くなりますよ”くらいの意味でとらえていいんですよ。その部分は8度のカノンですね。カエルの歌みたいな追いかけっこです。でも実をいうとこの曲ネ、私高校生の時全然好きじゃなかったの。ひとつひとつの音にばかり気を取られて…。大事なことは、一小節で一つの和音でできていることを踏まえて、もっと大きなくくりで聴くこと。そして4小節まででひとくくりだから文章で言うと点がくる、みたいにまとめてみる。そうすると構造と流れが分かって、違う曲みたいに立体的に聴こえてくるんです。」
♪~~~HEART先生の演奏~~~♪
明「すごい迫力!」
H「ね。音楽の感動が迫ってくるでしょ。心の奥底から想いをわきあげて音に魂を入れる感じ!」
芳「感動しながら指も動かす練習になるっていいですね!指の訓練の先にある目標が音楽の感動というのは、バッハの息子たちは幸せだったでしょうね。」
H「フーガは三声です。」
明「わー、初めてですな。でも大丈夫です!この間バイオリンでフーガを聴いた感動体験を忘れとらんですばい。」
H「これも高校生の時はとっつきにくかったなー。私の当時持っていた楽譜にはほぼすべての音符にスタカートがついていたの。知識がない私は忠実にスタカートで弾いてたのだけど、なんか心に入ってこなくて…。」
芳「ツェルニー版を下敷きにしたのはそうなっていて、原典版にはついていなかったですよね。」
H「さすが芳美さん。テーマの美しさにもっと気付きましょう。ド♮シドの醸し出す雰囲気、それがひとつのテーマの中に3回も出てくる…。私はその二つの音の幅、音程がすごく大事だと思っています。狭く取った方が浮遊感というか舞曲の軽やかさも増すように思います。そして、プレリュードと続けて弾く時は、遠くから聴こえてくるように弾き始めるのが好きです。」
明「深刻~ではなかばってん、悲しそうで、舞曲風な軽やかな感じ…。」
H「いろいろなピアニストを聴き比べるとそれぞれ全然違って面白いですよ。なめらかにスラーで弾くと違った発見があるかも!」
芳「ちょっと元気が出てきました。少しずつ無理しないように指も動かしていきますね。!」
※「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
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