悲しき音楽家④ カール・マリア・フォン・ウェーバー
2019.06.29
1826年 6月5日 死去 享年39歳
カール・マリア・フォン・ウェーバーは『魔弾の射手』や『オベロン』などのオペラで有名な作曲家です。
“ウェーバー家”と聞いてピンとくるのは、コンスタンツェ・ウェーバー。モーツァルトの妻となった人です。なんとカールはコンスタンツェ・モーツァルトより23歳年下の従姉同士。(カールの父フランツ・ヴェーバーの兄フリードリンの娘がコンスタンツェ)カールの父フランツは旅芸人の楽隊の隊長だったので旅が多く、カールも幼年時代からモーツァルトのように神童になるべく育てられたといいます。カール5歳の時、アマデウス34歳、コンスタンツェ28歳の計算になり、“旅&天才”をモーツァルトと結び付けて父フランツ・ウェーバーが意識したのもうなずけます。
しかし、芸術家の人生とは険しく才能との孤独な闘いもつきもの…。カールは20歳のときに硝酸を飲み声帯を痛め、生涯小声でしか話せなくなります。この事件は、ワインを飲み間違えたとも、自殺未遂ともいわれています。
またショパンと同じ肺結核を患い、最後の10年間は病気との闘いでした。オベロンの上演のため、愛する妻をドイツに残してロンドンに渡りますが、せき、喀血を繰り返し客死します。
彼のピアノソナタやピアノのための小品は現代では頻繁に弾かれるとは言えませんが、『舞踏への勧誘』は有名です。愛妻カロリーネに捧げられ当時から旋風を巻き起こしたピアノの名曲ですが、ベルリオーズの管弦楽編曲版の方が有名かもしれません。序奏では舞踏を申し込んでいる情景を描写、続いて華麗なワルツが始まり、卓越したピアノ技術を持っていた彼ならではの絢爛なパッセージに彩られています。
歌劇『オベロン』の中の一曲が『人魚の歌』として日本で有名になりピアノ編曲されていること、そしてそれがいろいろな調で日本の子供のピアノテキストに載っていること、ハートピアノ教室に通ってこられる、とても熱心でクラシックが大好きな生徒さんがこの曲を気に入って6拍子に合わせて楽しく弾かれていることを彼は知りません。
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