2018.04.28
HEART「今日は芳美さんが17番変イ長調プレリュードを弾かれます。よろしくお願いします。」
♪~~~芳美さんの演奏~~~♪
H「この曲は変イ長調。一般的には落ち着いた温かい響きを持った調と言われていますね。平均律のもとではあまり関係ないという意見もありますが、作曲家の意図と調の関係は大事です。」
芳美「私、変イ長調が大好きです。今日はプレリュードですが、フーガの方も好きで挑戦しています。それに平均律曲集二巻の方の第17番の変イ長調も好きなんですよね。」
明夫くん「えっ?平均律クラヴィーア曲集って二巻もあるとですか!」
芳「どちらも大人っぽくて和音の鳴りがいいんです。両手がすごく響きあって鍵盤を触っているのが気持ちいい感じ。」
明「僕はまだそこまで余裕がなくてですね…。」
芳「子供の頃、最初弾く曲ってハ長調が多いですよね。ついても♯2つくらいまでとか。♭の曲ってほとんどやったことがなかったんですが、ある日コンサートでリストの“愛の夢”を聴いて感動して楽譜を買いに行ったんです。譜面を見て愕然としました。♭が4つもついていて…。でもなんとか出だしを弾いてみたら今までに聴いたことのない感覚が耳に飛び込んできて…。」
明「聴いたことないというと?」
芳「うまく言えないんですが、今までハ長調にあまりにも慣れていたので何も感じなかったのですが、こんな響きが世の中にあったのかというくらい新鮮な響きで…。色合いっていうものでしょうか?」
H「分かります。その時24種類ある調の旅へ一歩踏み出したのですね。“愛の夢”以外にもシューマンの曲をリストが編曲した献呈やベートーヴェン“悲愴ソナタ”第2楽章、同じく31番のソナタ、ショパンのワルツop.69-1、シューベルト即興曲D.935-2、ブラームスのワルツ第15番Op.39-15なども懐が深く大いなる愛を湛えていますね。」
明「僕は“悲愴ソナタ”第2楽章めっちゃ好きです。最初の方しか弾けんとですけど。悲しさの中の希望の光みたいのば感じるとですよ。だけんこのプレリュードも癒しの中に更に躍動感もあってよかな〜、と思いました。僕も弾いてみたかです!それから芳美さんは指がよく動かれますね!24,25小節目は右手だけんよかばってん22,23小節目と27,28,29小節目の左手が特に。左利きですか?」
芳「いいえ、右利きです。実はその部分は3種類の指使いを考えました。自分の指に合った指使いをあれこれ考えるのも楽しいですよ。」
明「力任せに弾いてもダメなんですね。」
H「最初の段階で自分の指使いを見つけておくことは大切です。そこをしっかり踏まえてメロディーや拍の重量感に沿って歌わせていくとがむしゃらに動きだけを追いかけるよりもずっと音楽的にもよく弾けるし、そんなにテンポを速くとらなくてもスッキリした速度感で聴こえるようになります。こういう個所の部分練習は案外ツェルニーの練習曲並みの指の筋力アップ効果がありますよ。それも、指を思い通りに操るインナーマッスルにより強い効き目がある気がします。」
明「出だしの右手のテーマもリズム感が大事ですよね。♬チャチャチャンチャンチャンチャン」
H「パラランパンポンパンみたいに立体的に、がいいかな?(笑)こんな感じ。(弾いてみる)」
善雄「あのう、私が前回弾いた14番嬰ヘ短調プレリュードにも出てきてたのですが、ギザギザマーク♒️⚡️はどう弾いたらいいですか?何か決まりがあるんですよね。trは確かトリルでしたかね。」
続く
*「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
HEART PIANO ハートピアノ教室
090-5478-1106
メールアドレス:heartpianokumamoto@gmail.com