2017.01.18
①楽音に対し、非楽音騒音を通信工学用語で雑音という。周期性をもたず、不快な感じを起こさせる音のこと。音楽として使う音のことを楽音というが、不必要な音は非楽音または雑音として区別される。 ②非難やからかいの言葉。
③うわさ
「雑音」とよく似た「騒音」という言葉もある。辞書には、
“聞く人に不必要な音。一般には複雑な非音楽音がその対象であるが、感じ方が主観的なものである以上楽音でも騒音となりうる。”
とある。
恐ろしい…。
特に“感じ方は主観的”っていうところだ。
しかも「騒音」にはすべての音、つまりピアノの音も含まれていることになる…。
音を出すのを生業としている我々にとって自分のピアノの音は一体どうなのか。ステージ上では芸術性の面から、練習時は近隣への防音の配慮の面から、ピアノの音はいつだって簡単に「雑音」や「騒音」になる。
早朝の竹ほうきの音
雪を踏みしめる音
揚げ物の音
雨が降る音
お皿が割れる音
フィギュアスケートの氷が削れる音
布を引き裂く音
これらは理論上すべて雑音とされるだろう。だがどう聞くかはその人次第だ。チェーンソーを楽器にしている人もいる。私のピアノの音は「楽音」だが「雑音」でもある。
日々悩んでいると変な夢を見る。私がピアノコンサートで「雑然」とした「騒音」を奏でていると、客席のおじさんがいびきをかいて「雑音」をたてている。私の頭の中は「騒々」しいおじさんのいびきのことばかり気にして演奏に集中できない。「雑言」を浴びないだけまだまし、こんなことで気が散るなんて私もまだまだ「雑魚」だ、と演奏を続ける。コンサートは暮れの忙しい時期。「雑煮」ってザツニって書くけどお料理の中でも丁寧に作るしおいしいわね~などと更に演奏とは関係のない意味不明の「雑念」が頭の中を飛び交う。
汗びっしょりで目が覚める。説得力のある正夢だ。
さあ、こんな「雑談」はやめて日々の「雑多」な「雑用」を片付けるためにそろそろこの「雑文」を終えよう。
(*「雑煮」の「雑」は混ぜるという意味だそうです。)