2014.04.23
タッチの基礎をやり直す。
忍耐と根気が必要です。
私がお預かりした男の生徒さんが、1番頑張ったのはタッチの改善です。
小さい頃に、無理して弾いてしまったのか、指を1本づつ独立して動かすことをせずに、手首を傾けたり、ねじったりすることで指の動きの代償をしていました。
音が出ず、ド~ラまで手を広げることも難しく、1と5の指は硬直してしまい、手首の上下運動で打鍵する。
4小節のメロディーをつっかえずに弾く事も難しい。
深刻な状態でした。
小柄な生徒さんが、足元が定まらず、椅子に座る姿勢が崩れると、上半身の軸がぶれて、肩や腕、指を正しく使うことができません。
まずは椅子に座る姿勢から直しました。
本当に1からのスタートです。
高学年の生徒さんでしたので、医学的にピアノを弾く手を解説する本を読みながら、腕、手首、指の関節の名称、機能を説明しました。
興味をもって覚えてくれたようで、お家でお母さんに講義したそうですよ。
レッスンでは、指1本1本の動かし方を、長い時間かけて練習しました。
本当に地道な練習です。
タッチをやり直すのは本人の強い意志が必要です。
レッスンで教えても、生徒さんが家での練習で、自己流の慣れた楽なやり方を選択すればそれまでです。
ピアノが誕生して以来、今日まで、口伝えに伝えられたピアノの奏法、タッチを習得するには先生に習うしかないのです。
伝統芸能を習う場合は、自己流を封印して、素直に先生の助言を聞けた方が得ですね。
この生徒さんは、とても賢く素直でした。
忠実に教えを聞き、家でも常に、姿勢、上半身、腕、手首、指の関節、全ての動きに注意深く、「ハノンの指練習と音階、アルペジオ」を真面目に練習していました。
大人でも出来ないことが出来る生徒さんでした。