先月、中学3年のGちゃんが受験勉強に専念するためもあり教室を卒業していきました。
Gちゃんは中学校でも特に厳しいと言われる運動部に所属していたため、なかなか練習時間も確保できなかったのですが、部活が終わってクタクタになりながらも、なんとか中3までピアノを続けてきました。ひどく疲れていて眠そうなのに頑張って笑顔を向けるGちゃんに私は癒されていました。 …それとつっこみを入れるのも楽しみでした(^^)
Gちゃんは小学校の時とてもおとなしくて、正直な所何を考えてるか分からないしピアノが嫌なのかな?と思っていました。そして中学に入り運動部に入部したと聞いた時には「ピアノ辞めちゃうのかな?」とも思いましたが、嬉しい事に私の予想は外れ3年生のこの時期まで続いたのです。自分の弾きたい曲を中心としたレッスンで練習時間も少なかったので進みは遅かったのですが、それでも自分が弾きたかった曲が数曲弾けるようになったことはGちゃんにとってすごく良かったのだと思います。もしも部活を始めた時点で「大変だから」と言ってピアノを辞めていれば好きな(結構難しい)曲を弾けるようにはならなかったかもしれません。細く細く長く…でも続けてきたからこそ!だと思います。
高校受験のためにピアノを辞める生徒さんは多いのですが、なかには受験シーズンも変わらず教室に通ってくる生徒さんもいます。以前、高校の入学試験の前日であるにもかかわらず普通にレッスンに来ていた強者もいました。ですから忙しい状況の中でもピアノを続けるかどうかは、生徒さんと保護者のかたの考え方しだいなのかなと思います。また、中学になったら勉強や部活で練習がなかなか出来なくなることは私も重々承知していますので、特別な場合を除いて中学生にはあまり練習しなさいとは言わないようにしています。時々「ピアノが良い気分転換になってるみたいです(^^)」と言ってくださるお母さんがいますが、身体的にも精神的にも大変な中学生にとってピアノで気分転換できるならば、それはそれで貴重なことだと思います。
ピアノ教室には卒業式がありません。もちろん、大人になってもピアノを続けて音楽仲間のようになってくれたらとても嬉しいですが、実際通い続けることは多くの生徒さんにとって難しいかと思います。だからこそ、いつまで教室を続けるか話し合い、最後には目標である曲を完成させて卒業していってほしいと考えています。
教室を卒業する時に「今までよく頑張って通ったね」と声をかけて、寂しいけれども生徒さんが次に進む道へ送り出してあげたいと思っています。