2020.12.22
脱力、
文字通り力を抜くことですが、
ピアノを弾くときに余計な力を入れてはいけません。
余計な力?
ね?むずかしいですよね。
これって目に見えませんし。
ひと言でいうと、
ピアノを弾くとき力を入れて弾くと、音がよくないです。
耳に痛いというか、耳にぶつかるというか、ガンガン弾くのはいけません。
力を抜くってむずかしいんですが、
最初から力を入れない状態で弾くクセをつけちゃうと、それが普通のことになるので最初が肝心。
よくない癖をつけてしまうと、直すのには時間と根気が必要です。
どうやって脱力するか?については色んな説があるのでそちらをご覧いただくとして、
脱力してないとどうなるか?についてお話ししましょうね。
脱力しない状態で弾いていると、
まず、手首や腕が痛くなる。音色もとんがってうるさい音になる。
指が早く動かなくなる。フォルテが十分出せなくなる。表現ができなくなる。。。
ざっと思いつくだけでもこれだけあります。
ピアノって、音をまちがわずに早く強く弾いたほうがうまいんじゃないの?という説、
これは大きな間違いですが、
すごく昔の日本では、そういう風潮があったようですね。
その名残りが未だ根強くて、
とくにお母様世代でピアノ経験のある方は、ついお子さんに
もっと強くしっかり弾きなさい。もっと早い方がいいんじゃないの?と
おっしゃってしまうかもしれません。
ですが、それはマイナス方向になっちゃうんですね。
週に一度の先生とのレッスンより、
毎日一緒にいるお母様の言うことに従ってしまうのがお子さんというもの。
昔は私もこれで苦労しました。
毎週直しているのに、翌週になるとまた逆戻りしてくる生徒さん、時々いましたので。
でも最近は、
お母様に前もってアドバイスしているのでそういうことはなくなってきました。
強く早く弾いていると、
脱力はもちろんできなくなるし、リズムの不正確さは悪化するし、
なにより手指や腕に悪いクセをつけてしまってなかなか治らない。
これだと練習してもうまくはならないんですよね。
ですので、
レッスンで注意を受けたら真に受けてみる。これ、大事ですよ。
ピアノ経験のある生徒さんの体験レッスンでは、よくこういう状態を見かけます。
これが年齢が大きくなればなるほど治るのに時間がかかりますが、
やっていれば必ずよくなっていきますよ。だいじょうぶ。
実はこれ、私が経験者です。
15歳で音大の先生についたとき、
脱力ができてなくて痛む腕で無理やり弾いているような状態でしたが、
心がけて弾き方を直すうちに、脱力もわかっていきました。
でもね。
こうならないようにするのが大事なんです。
私はそれが身にしみてわかっているので、
生徒たちの脱力や腕の状態にはすごく気を使います。
とても速い曲やテクニック的に大変な曲があるでしょう?
ショパンのエチュードや英雄ポロネーズとか、リスト、ラフマニノフなど
とにかくテクニカルで速い曲を弾かせるときは、
厳重なくらい大事を取り、指示を出します。
それでうちの生徒さんには、
腱鞘炎や、脱力のせいで弾けなくなるような生徒はひとりもいませんよ。
いい弾き方で、練習がムダにならずずっと伸び続けていける。
それが私の育てる指針ですから、レッスンで習ったことをしっかり吸収してね♬
国立音大の住友郁治先生が来年2月にリサイタルをすると知らせが。
2年ぶりのリサイタルとか。お元気そうでないよりです。
プログラムは、ベートーヴェンとリスト。先生の自信作を並べたんですね。
プログラムを拝見していたら、そのほとんどが私も弾いた曲ばかり。
あらー、大変な内容と推察いたしますが、先生にはそうでもないんでしょうか。
とくにリストのメフィストワルツ、これは弾ききるのがなかなか大変ですよね。
私は卒業試験がこれで、25ページもあって疲れたなぁ・・・
お聴きしたいですが、この状況だと私は上京がむずかしいと思うので
郡山の空からお祈りしていますね♪