2017.08.29
さて、自宅練習をしやすくするには、ですが、
ピアノを弾けるお母さんも弾けないお母さんも、
たまには立場を逆転するといいですよ。
つまり、
お母さんがお子さんに教えを乞う形にする。
「この曲、弾いたことないなぁ。どんな曲?」
「この記号って、どういう意味だっけ?」
「これ、お母さんも弾いてみたいなぁ」
こんな風にとぼけてあげてください。
お子さんは、いつもと違うシチュエーションにわくわくして、
ピアノのそばにやってきます。
「これはこういう曲だよ」
「えーとね、たしかここでも習ってた記号なの」
「そっか、お母さんも弾きたいんだ。じゃあがんばってあげようかな」
お子さんの意識がピアノに向くということ、これが一番のポイントです。
わざとできないふりをして、教えてもらう・一緒に考えるという形を作ると、
お子さんはピアノに向かえますよ。
どんなきっかけでもいいんです。
ピアノに意識が向き、やってみようかなと思えばいい。
人間は同じことをやってると必ず飽きます。
また、最初は楽しくても、すぐに慣れてしまって新鮮味がなくなります。
これらを“馴化”といい、心理的に当然の流れ。
慣れるたびに飽きて投げてたら何もできない人になっちゃうから、
慣れにどう対応していくか?慣れてだらけて当たり前と考え、
その都度、工夫したり、ゆるめたり、泳がせたり、刺激を与えたりして、
お子さんを育てていくのです。
刺激というのは、たとえば
CDを聞かせたり、コンサートに行ったり、ほかの人のピアノを聴く機会を作ったり、
発表会やコンクール、グレードテストにトライしたり、
「この曲、好きだからいつか弾いてね」とリクエストしたり。
ちょっとしたことでいいんです。
お子さんにとって、さりげない刺激が意外に効果的だったりしますよ。
そしておとなの注意点として、
いつも成果を求めすぎないこと。
いつも全力で頑張らせようとしないこと。
いつも高圧的にやらせようとしないこと。
誰かと比較してあおらないこと。
ダメなところばかりを指摘しないこと。
機嫌の良くない顔で練習させようとしないこと・・・
要するに、
紆余曲折しながら育って当然と捉えて、
本人が自然な形で弾けるようにおぜん立てしてあげればいいのです。
とはいえ、これがけっこうむずかしいことですよね。
私自身もレッスンでつい、あれもこれもと思ってしまいがち。
もう少し余裕を持って指導したほうがいいと思うのについ欲が出て・・・
そんなこんなで、
私たちおとなも、自分育てをしながらご一緒に成長していきましょうね♬