677. 舟歌部門
2014.04.30
バルカロール(またはバルカローレ)と言えば、主にベネチアのゴンドラが行き交う風景や、船頭の歌をイメージした舟歌のことで、ロマン派の作曲家たちが次々、美しい曲を書きました。メンデルスゾーン/無言歌集「ベニスの舟歌」チャイコフスキー/四季より6月「舟歌」は、発表会でよく演奏され、ブルグミュラー25練習曲「舟歌」もおなじみです。そしてショパンは、自身の集大成のような大曲に仕上げました。舟歌のベースとなる、静かに揺れ動く伴奏に、穏やかで品の良いメロディーが乗りますが、のう天気ささえ感じられる明るさと、部分的に現れるマイナーなフレーズが何とも調和しています。最後、宝石がこぼれるような細かい音のあと、なぜかチャンチャン(少し軽過ぎた:ジャーンジャーン)と締めくくる。これがまた面白く「はい、おしまい」夢からさめる感じ。ショパンは、ワルツ・ノクターン・マズルカ・バラードをはじめ、部門別に分けられるほど数多くのピアノ曲を作りましたが、残念なことに舟歌は1曲のみです(それも晩年の作品:若くして亡くなられました)。エチュード「別れの曲」が仕上がった時「何と美しい曲を作ってしまったのだ」と言った、エピソードがありますが、舟歌が出来た時も、そう呟いたのではないか?と想像します=残念な舟歌部門です。