2016.04.08
一昨日の夜、お勤めを終えてレッスンに来てくださっている御嬢さん Aさんがレッスンの終わった時、私におしゃべりを持ちかけてくれました。「ショパンの舟歌のイメージ、先生はどんなふうに想い描いていらっしゃいます?」というお題。なんでもお家でお母様と一緒に 私がお貸しした外山啓介さんのCDでその曲を聴き、他のピアニストさんの演奏も聴いて親子でいろんなイメージを語り合われたそうです。彼女が外山さんの演奏から感じたことは 小さな木の船が風に優しく揺られている静かな情景だそうです。うん、恋人同士の 午後のやさしいひと時、風が静かに水面を渡って行く中、周りの風景も変わってゆき そんな中で 様々な事情に追い詰められていたショパンはどんな想いだったのでしょうね。青島広志先生は「ゴンドラ」のイメージで 著書の「音楽名曲絵画館」でお話して下さいました。演奏する方によって揺れ方もいろいろ、以前 船酔いしそうな揺らし方で弾く方の演奏を聴き、「オェ~ッ、もう2度と聴きには来んぞ!」と思ったことがありました。師匠の山崎先生は 「ヨタヨタとテンポを揺らしちゃダメ! 決められた拍子のなかで歌って弾きなさい」と ショパンの柔らかいフレーズの部分の歌い方を教えてくださいました。音色と微妙な強弱でフレーズを美しく歌い上げる・・・ホントに難しい。でも外山さんはその美しい音色で ご自分の心の中にお持ちのイメージや ショパンの想いを 音楽として丁寧に創り上げてゆかれます。船酔いしないバルカローレ、クライマックスのオクターブの和音もホントに響きが綺麗☆ 間の取り方もフレーズの歌い方も 師匠の教えと同じような演奏を いつも聴かせてくださるので 私は自然に体がその歌い方についてゆけます。そうそう、外山さんは中学生の時の海外研修で もうこの曲をパリのコルトー・ホールで 弾いていらっしゃるんですよね。スゴイ‼
Aさんとレッスン後に 青島先生のお話も含め、曲から感じるイメージや どんな演奏が好みかなんて おしゃべりできるひとときが 今、とても楽しい私です。音大生時代は練習に追われ、仕事として教え始めたら その責任にプレッシャーを感じ・・・ やっとこの年になって 心からピアノを楽しめるようになったんです。それは外山さんの素敵な演奏に出逢えたから❤ 自分が初めて「大好き♪」と心から思える音色に出逢えたから! 病気をしてしまって… この先どれくらいピアニスト殿の演奏を聴きに行けるのかしら?
今日はどの曲を練習なさっていらしたのですか? 大学の方も 新しい生徒さんが増えたりなさったのでしょうか。ベートーヴェンにリスト、シューマンのコンチェルト、リストは超絶技巧ですから 練習に根を詰め過ぎていらっしゃいませんか? いつかのように 大切な指を傷められませんように、と ちょっぴり心配しています。桜を愛でるお時間くらいはありましたか? ちゃんとご飯食べていらっしゃいますか? 毎日少~しずつの練習をしながら体力を温存し ショパンを聴きに行くのを楽しみに ワクワクしている私です。そう、ショパンの練習も有るんですね、ほんとにたくさんの曲… プロだから、と言ってしまえばそれまでですが、とっても大変なことだと思います。
オババ度が加速しないよう、胸をときめかせる事も必要だよね、と いつも友人たちと言っているのですが 心躍る音色に逢えるのが 今の私のシアワセなひととき、イチバンの支えです。そのおかげで 生徒さん達とのレッスンも楽しく充実しています。春が来て 新しい生徒さんとの出会いもあり、また頑張ってゆけます! どうぞ お疲れになり過ぎませぬよう、毎日お元気で、良い練習をなさってくださいね。自分の事で精一杯の私が言うのもなんですが いつもいっぱい応援しています☆
親愛なる ピアニスト殿へ・・・