2025.05.09
最近、コンクールや発表会などでよく思うことがあります。
それは、「評価する人によって見ているものが全然違う」ということ。
例えば合唱コンクールの場合、学校の先生は、クラスのまとまりや成長をとても大事にして見てくれます。
一方、外部から審査に来てくださるプロの音楽家は、響きや表現の深さ、音楽そのものの完成度を見ています。
不思議なことに、意外とプロと素人(一般の方)の感覚が近いこともあります。
素人の方は「心に響くか」「感動するか」という純粋な目で聴いてくれます。
プロも、技術の先にある「本当に心が動く演奏か」をとても大事にしています。
一番気をつけたいのは、途中の段階──少し音楽を知っている人が、
「音程がずれてる」「リズムが甘い」といった表面的なことだけにとらわれてしまうこと。
そうなると、音楽の一番大事な部分が見えなくなってしまう気がします。
音楽って、結局「誰かの心に何かを届けること」。
だからこそ、演奏する側も聴く側も、
技術の向こうにある“心”を忘れないでいたいなと、最近つくづく思います。
教室ではもちろん、しっかりしたテクニックや基礎練習を大切にしています。
でもそれは、「自由に表現する力」を育てるための土台だと思っています。
生徒さんたちには、ぜひ自分の感性を大切にして、
心から音楽を楽しみ、奏でてほしいと願っています。