2020.09.09
クレメンティーとモーツァルト。同時代に生きた4つ違いの年齢差の二人。
二人のキャラクターを表す有名な話があります。
皇帝ヨーゼフ二世の宮殿にて、二人は弾き比べの御前演奏をしました。クレメンティーはソナタを1曲、モーツァルトは何か変奏曲を弾き、その後変わるがわる与えられた曲を弾いたそうです。
弾き終えたあと、二人のお互いの印象は対照的で、モーツァルトは「彼は単なる機械的演奏家」と、お父さん宛の手紙の中で書いています。一方のクレメンティーは「あれほどの魂のこもった優美な演奏を聴いたことがなかった」と回想しています。
その後モーツァルトは、しっかりこの時のソナタを自身の作品に活かしているわけですが、
この話から、クラシック作品も元は即興から始まっていることや、愛好家や学習者や演奏家のために楽譜が普及したこと、楽器そのものも改良され、その楽器に似合う魅力的な演奏とはどういうものなのかなど色々考えると、音楽は本当に面白い、、、!
2月からコンサートなど中止が相次ぎ自粛生活が続きましたが、やっと今月に入り、クラシックのリサイタルを聴きに行きました。ソーシャルディスタンスに配慮された空間で。
世の中はコロナ前と変わりました、音楽との関わりもますます多様化していきそうです。