2026.03.11
まずはフランスのお話しを。
それはコロナ感染拡大期にあったこと。自粛要請によって落ち込む文化芸術分野をサポートしようと、またこの機会に若者層に芸術に親しんでもらおうと、芸術系のコンテンツに使えるクーポンが配られたそうです。結果どうなったか?自宅で気軽に読める漫画の消費が著しく伸びたと。
また最近の日本(大阪)の話。
大阪では維新政党が力をいれ、全国でも先駆けて私立高校の授業料無償化が実現されました。その影響でしょうか。近年は公立高校の志願者が減り、定員割れの公立高校も増えているとか。
漫画に価値がない、とか私立高校進学が間違っていると言っているわけではないのです。ただ、税金を投入し、消費の動向を方向づけたものの、結果として想定していたのとは違う状況が生じることもあるのだな、と考え込むのです。
私立高校無償化の話でいえば、進学を希望する青年たちが授業料の心配なく高校に通えるように、という誰でもが納得できる動機からの制度であったと思います。私も大賛成です。しかし一方、本来行政の役割というものは、誰でもが地元で質の高い公教育を受けられるように環境を整える、ということであったと思うのですね。
宇沢弘文という経済学者がいました。
資本主義でもなく、共産主義でもない、「社会的共通資本」というモデルを唱えた学者です。人間の活動には資本主義の競争に馴染まない分野がある、それは社会で共通に守るべき財産として保護されなければならない、とい思想であったと記憶しています。(専門ではないので正確ではないかもしれません)
音楽(芸術)と教育、私はこの二つはまさに「社会的共通資本」だと考えています。私たちが慣れてしまった「消費するもの」という概念の外に置くものではないかと。
4月から当教室は大阪市習い事・塾代助成事業から撤退することにいたしました。残念ではありますが、違う形で社会に貢献していけたらと思っております。