二つの「KAWAI・CONCERT]と・・・ 地震!!!
2015.06.02
毎年恒例のKAWAI・CONCERT、名古屋では5月22日(金)しらかわホールで催されました。生徒さんと「今年はどこらへんで聴いてみようか?」と 自由席のホールをぐるりと見渡し、2階正面に行きました。ステージも良く見え 始まってみてビックリ、私の大好きなSK・EXの響きの伝わりがすごく心地よいのです。体全体をふんわりと包み込んでくれるようなしっとり感もあり、生徒さんも同じことを感じたらしく「10月の外山さんのリサイタル、この席で取ろうね!」と… お会いした調律師のY氏も「この席いいよ~」とおっしゃっていました。チ ホ・ハンさん、韓国のまだお若いピアニストさん、若さならではのパワーとテク二ックで素敵な演奏をしてくださいました。アンコールの モーツァルト「トルコ行進曲」を超絶技巧に編曲したものは凄かったです。プログラム最後の曲 ショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は音大の卒業をかけて私も懸命に挑んだ曲でしたので思い入れもあり、でももう少し丁寧に弾いてほしかったな。やたらテンポが速くてブッとばしている感が否めません。ショパン・コンクールで優勝した時のユンディ-・リーや 去年聴いた及川浩治さんの演奏の方が好きですね。音符が頭に入っているだけに微妙な音はずしもわかり、もっと落ち着いて弾いたら外さないのに…と思いながら聴いていました。でも23歳、まだまだお勉強されていて これからが楽しみなピアニストさんです!
さてもう一つ、KAWAI・CONCERT行ってまいりました。5月30日(土)、大好きなEXの音色をさらに素晴らしく響かせて下さるピアニスト殿、外山啓介さんの今年のリサイタル・ツアーの始まりでした。去年のセントラル愛知さんとのショパン・コンチェルトの時、EXを絹糸のように繊細に美しく、煌めくようなあざやかさと柔らかさで奏でて下さったピアニスト殿… 今年のオール・ショパンプログラムをEXで聴けるのはこの日だけ!ちょっと遠かったけど栃木まで行ってきました。
東京から電車を2回乗り継いで約2時間、ホールはほぼ満席で大盛況でした。ピアニスト殿の演奏の今回の目玉は「バラード全4曲」。第1・4番はCDにも入っていてよく聴いていますが 今回大好きな第3番、リクエストしたこともある 水の精オンディーヌを表現する曲を聴けるのが嬉しくて❤ メロディー・ラインを美しく出して行くことが難しいこの曲を、ピアニスト殿はやっぱり私の理想どおりの 美しくあでやかなオンディーヌを奏でて下さいました。「雨だれのプレリュード」「別れの曲」「別れのワルツ」「ノクターン1~3番」「英雄ポロネーズ」などショパンの、誰もが馴染みのある曲を EXの持つ 深く暖かくまろやかな音色を存分に生かして奏でて下さいました。それがホントに嬉しくて サイン会の時、「和音の中から綺麗にメロディー・ラインを出していくことのできる 魔法の小指を外山さんはお持ちですね。」とお話ししてきました。人前で2度ほど弾いたことのあるこの第3番、山崎先生に「色気がない!」と注意されてのレッスンが懐かしいです。次の 生徒さんの発表会で弾こうかなと おさらいをはじめたところです。外山さんの綺麗な音色をたくさん聴いたら 少しは色気のある演奏ができるようになるかしら??
そして… 演奏中でなくて良かったァ~! サイン会のため 皆がロビーに出たときでした、グラッと大きな揺れが来たのは・・・ KAWAIのスタッフの方々もお客さんを誘導されはじめていました。そんなことで・・・ またまた別れ際、ピアニスト殿に「帰り、気を付けて・・・」との優しいお気づかいのお言葉を頂き ホールをエネルギー充填120パーセントで出たのはよいのですが な、なんと電車が遅れ、やっと乗れても止まってばかりで… 最終の新幹線が間に合わないのはわかっていたので 23時50分の夜行バスのチケットを準備しておいたのですが 東京に着いたのが夜中の1時半過ぎておりそれも当然間に合わず、150分の遅延証明がもらえたので 朝6時頃になれば払い戻しと新しいチケットがもらえるとのこと・・・ 安いホテルか深夜営業の居酒屋さんかカラオケボックスかといろいろ考えましたが 帰れなくなっている人もたくさんウロウロしていたし、何より風邪気味だったせいか疲れてしまい 動きたくなかったので あと3~4時間のことだからと駅のベンチでうとうとして夜明けを待ちました。無事帰宅できたのは31日のお昼ちょっと前、ナント38度の熱が‼ 素敵なコンサート、大好きな音色で大好きな曲を聴けたというのに 地震のおかげでえらい目に合いました。ホントに・・・ ああ、オババになってしまったのねと 自分の体力の無さにあらためてショックを隠し切れません(泣)