2014.09.08
9月6日(土)18時 サントリー・ホールでの 外山啓介ピアノリサイタル、先週の名古屋・しらかわホールと同じく、のびやかな美しい音色が ホールいっぱいに響き、ピアニスト殿が一つ一つの曲を もう完全に自分のものにして操っていらっしゃるように思いました。特に前半のモーツァルト「トルコ行進曲」は軽やかさといい、音の粒ぞろいといい、さらにはペダリングの絶妙さも加え、増々素晴らしい演奏になっていて 曲が終わるとすぐ「ブラボー‼」が2つも飛びました。後半がいよいよ始まるという正にその時、後方でどよめきと拍手が起こり、何だろう?と後ろを見てビックリ、すぐに同行していた隣席の友人と共に起立し、拍手の輪に加わりました。な、なんと 皇后陛下が2階中央最前列の座席にお座りになられていらしたのです! 2011年の夏、軽井沢の大賀ホールでのピアニスト殿のリサイタルに 御静養中の天皇皇后両陛下がご鑑賞にいらっしゃったと 友人が興奮して話してくれたので その何日か後の シンフォニー・ホールでの終演後のサイン会の時 「両陛下に聴いていただけて 良かったですね」と言う私に 「僕は前もって聞いていましたが、お客様は知らされていらっしゃらないから驚かれたようで・・・」と 二ッコリ。きっと今回も ピアノがお好きでご自身もお弾きになられる皇后陛下が(天皇陛下はお忙しくていらしたのでしょうか?)ピアニスト殿の御成長を お聴きになる為に御臨席なされたのだと思います。ピアニスト殿はというと・・・ 実に堂々と、ステージから2階席の皇后陛下に 胸に手をあてて素晴らしい笑顔を向けられた後、深々と(いつもお客様にされる時もそうですけど)お辞儀をされました。その笑顔は 「どうぞ、今日の演奏もお楽しみになっていらしてください!」というような、 自信にあふれたものでした。ロ短調ソナタの始めが ほんの少し硬い感じがしましたが、すぐにいつもの演奏に。緊張するな!というのが無理ですよね。でも、アンコール2曲も含め、その演奏も カーテン・コールに応える時のお姿も 本当に頼もしい限りで・・・ 6月、シンフォニー・ホールの「宿命」でのステージで感じた ピアニスト殿の「光」を再び目の当りにして 「ブラボー‼」 を叫んだ時、瞳が潤んでしまいました。(ちなみに しらかわホールでブラボー叫んだのも 私デス… 恥ずかしくないもん! だってホントにブラボーって思ったんだから) ピアニスト殿の、演奏家としての才能が マエストロ方からの海外デビューや「宿命」のような特別な企画、そして11月のセントラル愛知・松尾葉子先生の共演のお誘い等々を引き寄せているわけですが、きっとそれだけではなく ピアニスト殿の御人柄もその要因の一つだと 私は思っています。(お話をすればわかります) だからこそ、再び皇后陛下がいらしてくださったのではないでしょうか。最後のカーテンコールが終わり、ピアニスト殿が袖に引っ込まれた後、SPの方々に囲まれて会場をお出になる皇后陛下を 皆、起立して拍手でお見送り。私達1階の人達にも 皇后陛下は優しく御手を振ってくださいました。終演後、ピアニスト殿はきっと素敵なお言葉を 皇后陛下からかけていただいたことでしょう。開演前のCD販売所で「今日はサイン会はありません」との事に ピアニスト殿の体調が悪いのか、ホールと何かトラブルでもあったのかと 心配したのですが マネージャーさんが「うん、ちょっとね・・・」と あまり深刻そうでもなかったので ちょっと安心して お花と先週のしらかわホールでの演奏の感想を書いた手紙を預けてきました。皇后陛下がいらっしゃるというのが サイン会無しの理由でしたし・・・このところ 顎に少し生やしていらしたお髭も 綺麗に剃っていらしたピアニスト殿でした。これからもどんどん御成長なさって 増々煌めく光の中へ! それがピアノ教師を努める私の、ファイトの源にもなります!! ピアニスト殿が 堂々たるステージをお努めになられたことが嬉しくて 胸がいっぱいになりながらサントリー・ホールを後にしました。