2014.02.05
2月2日(日)、私の大好きな音色で シューマンのファンタジー(幻想曲)を聴く事が出来ました。第1楽章から第3楽章まで ソナタなどとは違う、それぞれの楽章が一つの曲というような感じでとても美しく、和音の響きやフレーズの終わりの音の残し方、柔らかな歌い方、情熱的な表現もあり、持ち前の美音を駆使しての素敵な演奏で 「シューマンって外山さんに合ってるナ」と思いました。弾き終えた時、本当に渾身の演奏だったのでしょう、「フゥ~ッ」と大きく息をつかれたピアニスト殿、満席の会場中にそれは響き渡り、思わず笑ってしまいました。こういう人間らしいところが 雲の上のピアニスト様とはちょっとイメージの違う、心の通った 温もりを感じさせる音を出せる方なのだと思います。
今、ライセンス・グレードをお持ちの生徒さんとレッスン中の、と言うより 私も一緒に勉強中の シューマン「森の情景」、これがホントに不思議な曲集で… 7曲目の(予言の鳥)に興味を持たれたSさん、私もこれはきっとシューマンが精神を患っていた時の作品では…と思って解説を読むと、まさにその通りでした。これは私のイメージですが 瑠璃色の羽をパタパタさせながら、(ふふっ、こっちよ) とでもいうように木々を飛び渡りながら 魔の空間へ誘うような妖しい鳥さんの姿があって、でも希望の光が差し込んでくるような優しいメロディーも現れて、心が???となったりして… とっても摩訶不思議!! これは最初から全曲弾いたら面白いかも、とチャレンジを開始、Sさんのレッスンが今 5曲目まで来ました。やはり物語のように場面が繋がっていて、でもホントに不思議なメロディーで その中に美しさもちゃんと潜んでいて・・・。メロディー・ラインが三声くらいに絡み合っていて 綺麗に弾くのは けっこう難しいです。「謝肉祭」や「幻想小曲集」など 演奏会で聴いたり、自分で弾いたりした作品とは違うシューマンの一面をこの「森の情景」の中に見つけることができて 今、ちょっとワクワクしているところです! 作品の存在は学生の頃から知っていましたが、演奏会などで耳にする機会も無く、気にも留めていませんでしたから・・・。
奥泉 光さんのサスペンス小説「シューマンの指」を 今読んでいます。作者さんが恐ろしくシューマンに詳しくていらっしゃいますので すごく勉強になります。ただ私の場合、「エッ、そうなの~?!」と楽譜をひっ繰り返しながら読んでいて、なかなか先へ進めません。(泣!)最後の結末が衝撃的らしく、先に読み終えてしまった生徒さんや友人達には 何も聞かないようにして 楽しみにしながら ゆっくりゆっくり、読み進めています。(笑)