2013.12.14
12月8日 東京サントリーホールで行なわれたイーヴォ・ポゴレリッチ ピアノリサイタルへ行って来ました。ポゴレリッチは1980年ショパン国際ピアノコンクールに出場した折、本選に出場させなかったことに反対して審査員だった有名なピアニストが審査員を辞退する事態となり世界的にその名を知られるようになりました。私もその時から彼のファンで、その頃来日した時1回だけリサイタルに行ったことがあります。ポゴレリッチの演奏は独特の解釈なのですが、そこに彼の深い音楽性が感じられ、聴くたびに新鮮な感覚を受けます。今回のプログラムは彼の演奏としてはまだ聴いたことがないベートーベンの悲愴、熱情、などの、ピアノソナタの中でもよく知られた曲だったのでとても楽しみにしていました。ポゴレリッチの手にかかると遅かったり速かったりの部分も静寂さや音がうねるように聴こえてきたりと目が覚めるようでした。また旋律やそれを支える低音部の弾き分けが見事で、楽曲がオーケストラの演奏のように立体的に聴こえて来るのです。2時間のリサイタルはあっという間でした。わざわざ東京まで出かけて行き、生でポゴレリッチが聴けて本当によかったと思いました。