2025.04.11
2025年も新年度が始まり、皆さん新しい目標に向けて歩みを進めております。
先日のコンクールの振り返りをし、ご本人・ご家族様よりお言葉を頂いております。
(内容の濃いコンクールだったので、終わっても気持ちが落ち着きませんでした。)
(賞をいただけることは本当に大変なことだとわかりました)
(これからも過信することなく、感謝を忘れずに歌と向き合いたい)
…と沢山のメッセージやお手紙を頂きました。
しっかりと向き合った出来事を丁寧に締めくくることも大切な学びと感じています。
コンクールは出場をする為に曲を完成するのではなく、
日々の基礎、基本の積み重ねが自分の中にどう根をはって定着できているかを確認できる場だと思っています。
長い期間を見据えて、発声・ソルフェージュ・体幹トレーニングのレッスンをせずに、
直前で曲を仕上げることに注力してしまいますと、焦りや力みが加わり、
開口の癖や体の強ばり・高音域の技術力不足が出てきてしまいます。
結果を出すことを最優先に考えず、真の実力を養う期間を大切にし、次のコンクールの舞台が
皆さんにとって成長と喜びの時となりますことを楽しみにしています。
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声楽を学ぶ中で、とても大切なのが「基礎力」と「基本的なお稽古」です。
華やかな舞台や美しい歌声に憧れを持つのは自然なことですが、その裏には毎日の地道な積み重ねがあります。
正しい姿勢、確かな呼吸、身体の使い方、発声の安定、聞く力。
こうした一見地味に思える基本の反復こそが、豊かな表現力を支え、歌う人自身の「真の実力」を養います。
技術に裏打ちされた自由こそが、聴く人の心を動かします。感情をこめて歌いたい、表現を深めたいと思ったとき、支えとなってくれるのは、結局「基礎」なのです。
日々のお稽古を大切にすることで、声は確実に育っていきます。焦らず、丁寧に、一歩ずつ。声楽は、時間をかけて向き合うほどに深まっていく世界です。
声楽の世界において、どんなに素晴らしい才能も、それを支える「基礎力」なしには花開くことはできません。
夢の舞台、輝くチャンス、憧れの扉が目の前に現れたそのとき、本当にそれを開くことができるのは、日々の努力と基礎力を積み重ねてきた人です。
舞台は一瞬、でもその一瞬のために何年もかけて自分を育てていく。
その道のりを信じて、大切に歩んでほしいと思います。
夢を叶えるその日まで、一緒に“本当の力”を育てていきましょう。