2025.08.03
電子ピアノでも脱力できますか?という質問をよくいただきます。
結論としては「できます」がピアノらしい音色を作るのはむずかしいです…。
では「ピアノらしい音作り」って何なのでしょう?
ピアノという楽器は、鍵盤を鳴らすとあとはただ音量が減衰していくだけの楽器です。めちゃくちゃ速い曲をミスなく打楽器のように弾きこなすことが賞賛を得ることも多い楽器なのですが、それは本来のピアノの美しさを引き出せてはいないのです。先ほど申し上げたように叩いた瞬間から音が消えていく楽器がなぜゆっくりとしたメロディでも歌うようにつながって聞こえるのでしょう?ペダルを踏まなくても、です…。
私はそれが「脱力」のおかげだと考えています。きれいにつなぐためには、1つの音から次の音へ行くまでの間なるべく今弾いた音を長くきれいに鳴らしていないと歌(メロディ)は切れてしまいます。そのために腕や手首、最後は指一本一本が無駄に力んだままにならないように脱力してキープできなければいけません。これが一番むずかしいのです!(私自身も!)この指の脱力まで身に着けるにはアコースティックピアノのほうがいいのですが、私は、腕や手首の脱力までならば電子ピアノでも理解が可能であると考えます。
お教室にいらしている生徒さんは、電子ピアノで練習している間でも、体の使い方をくりかえし習いますし、「いい音」と「不快な音」の違いをたくさん聞き比べてきているので、後からアコースティックピアノを購入しても「力で弾く」とか「きたない音」を選びません。
なるべく早くアコースティックピアノをご用意されることを勧めてはいますが、電子ピアノからのスタートもあきらめる必要はまったくありませんのでご安心ください。