2024.08.03
クラシック音楽では、作曲家が生きた時代や音楽の形に合わせて、バロック、古典、ロマン、近現代と呼ばれて区別しています。
マーラーが生きた時代は、後期ロマン派です。
マーラーは、古典派を代表するベートーヴェンよりも90歳くらい年下です。
また、初期ロマン派を代表する作曲家シューマンやショパンよりも50歳くらい年下、中期ロマン派を代表する作曲家チャイコフスキーよりも20歳くらい年下です。
クラシック音楽では、時代が今に近づくほど演奏するオーケストラは大きくなり、演奏時間は長くなります。
古典派のモーツァルトのころにはオーケストラは40人くらいで、演奏時間は30分くらいでしたが、マーラーのころになると、オーケストラは100人以上、演奏時間は1時間以上という作品があらわれました。
マーラーの交響曲第8番が初めて演奏されたときは、演奏者が1030人でした。大編成のオーケストラ、8人のソリスト、児童合唱団、混声合唱団で演奏されます。「1000人の交響曲」といわれています。なかなか演奏されることはないので、もし聴く機会があったら、迷わずチケットを手に入れたいですね!
マーラーは、ドイツ伝統を受け継ぐ最後の作曲家といわれています。
ブランデーの製造や、居酒屋を営むユダヤ人の両親のもとに、オーストリア、今ではチェコ🇨🇿のイーグラヴという町に生まれました。
マーラーはピアニストとして才能を発揮し、10歳でコンサートに出演するほどでした。
ウイーン音楽院ではベートーベン、シューベルト、シューマン、ショパンなどの作品を学び、それと同時にウイーン大学で哲学を学びました。
マーラーは、大学を卒業すると指揮者として活躍します。
ヨーロッパやアメリカの有名なオーケストラの指揮をし、その合間に作曲もしました。
マーラーは歌曲を作り、これをそのまま交響曲に用いました。オーケストラの曲に歌曲を導入することによって、新たな領域へ引き上げようとしたのです。
交響曲は9曲と「大地の歌」を作りました。
「大地の歌」は、9番目の交響曲となるはずでしたが、マーラーはこれを9番とはしませんでした。ベートーベンもシューベルトも、交響曲9番を作曲したあと亡くなっています。
これを「第9の呪い」などと言われました。
マーラーは、「大地の歌」のあと、「第9番」を作曲しますが、何とその後、感染症により50歳で亡くなりました。
マーラーは、大げさな指揮をしたり、より良い音楽を求めるあまりに、ベートーベンやモーツァルトの楽譜に手を加えるなど、批判されもしましたが、音楽に対して妥協しない情熱の持ち主でした。
また、それまでの演奏会というのは、お酒を飲んだり、おしゃべりをしながら音楽を聴くものでした。演奏中は、客席を暗くして静かに音楽を聴く今のスタイルにしたのは、マーラーでした。
彼の演奏は、ピアノロール(オルゴールのようなもの)にわずかに残されていますが、録音したものはありません。
もう少し長生きしたなら、録音できたでしょう。
マーラーの指揮した演奏を聴いてみたかったですね🍀🍀🍀