2022.08.28
私は暗譜が苦手。暗譜自体は人並みに出来ても、本番で弾く時の緊張感の80%位は、楽譜を見れないという不安感から来る事がよくわかっているので。
バイオリン専攻で芸大に行った高校時代の同級生が言っていた。「ピアノの人ってかわいそうだよねー、いつでも暗譜だもん。オケの場合は伴奏の入りもあるし、曲が長かったりするから暗譜は無理。ピアノの人はしょうがないよね。」そうかなそうかなーーー???絶対不公平だと思うよーーー!だって、ピアノコンツェルトだってオケの中で暗譜はピアニストただ1人じゃん!他の楽器もソロで弾く場合暗譜が多いと思うけど、オペラなんかはあんちょこ的なものがあるし、ピアノの様に暗譜が『当たり前』とされてはいません。このピアニスト=暗譜当たり前が根付いた理由って、マジですか⁈と耳を疑いたくなるような話なのです。
むかしむかし、ヨーロッパのドイツに、クララというピアニストがいました。クララはトロイメライで有名な作曲家シューマンの奥さんで、音楽一家に生まれた才能溢れるコンサートピアニストでした。彼女は小さい頃から練習を沢山し暗譜が得意でした。そして、私こんな事できるんですよと言わんばかりにヨーロッパ中を暗譜でコンサートして回った結果。。。これはスゲーと大流行り。これ以降のピアニスト達に多大な影響を与え、ピアニスト=暗譜当たり前が根付いていったのです。
そう、これだけの話。
音楽に集中するためとか、深く理解するためには暗譜が必要とか、そんな事言う人もいるけれど、それは暗譜以前のお話で。クララ以前のピアニスト達の集中や理解に問題があった訳では決してなかったはずです。全部、暗譜をパフォーマンスにしたクララのせいなんです!!
クララさん、あなたホントに何て事してくれたんですか。。。