2022.08.13
お引越しして以来少し遠い所から通い続けてくれているSちゃんが、まだレッスンを始めてたての頃の事。チェルニー100番練習曲の同じ箇所で左手がどうしても引っ掛かかってしまいます。そこさえクリア出来れば完璧なのに!コロナ禍のオンラインレッスンが始まったばかりだった当時は外出も制限されていた為、ピアノの練習の時間はちゃんと毎日取れているものの、自己流の練習で悪循環にハマってしまっている様子でした。
「じゃあ、そこの1小節の左手だけを1回弾いてみましょう」「はい」Sちゃん何とか弾けました。「次は少し前も弾いてみましょう」ここは問題なく弾けます。「では最後に続けて弾いてみましょう」まだ少しだけ引っ掛かりますが、最初より進歩してます。「もう1回できるかな?きっと次はうまくいくよ」「はい」Sちゃん、集中力マックスで弾き始めます。案の定次は上手くいきました。右は元々弾けていたので、「できたね!じゃあ両手に挑戦!さっきの1小節だけ両手に戻して弾いてみるよ」「はい!」Sちゃん、がぜん乗ってきました。今ゆっくり丁寧にさらったばかりなので、当然ちゃんと弾けます。ノリに乗っている所で、「やったね!次は今のを5回連続で弾くよ、そしたら絶対弾けるようになってるよ」Sちゃん、もうお返事もそこそこに弾き始めます。1回、2回、、、5回弾き終わりました。部分練習は完璧です。まだ2年生のSちゃん、ここで早くも達成感に満ち溢れた顔をしているのが画面越しにも伝わります。まだまだここからよSちゃん、、(笑)「頑張ったねー、じゃあ本当に最後の最後、最初から通して弾いてみようか?」一瞬、え?まだやるの?という表情を見せたSちゃんですが、これで出来ればハナマルを貰えるとわかっています(笑)じゃホントにこれで最後だからね、といわんばかりの決意の表情で最初から弾き始めました。正しい部分練習をすれば絶対に弾けると分かってはいるものの、ちょっとヒヤヒヤしながら見守ります。
♫♫、、、最初から最後まで間違えず弾ききりました!「やったねー!すごいねー!上手だったよー!」パチパチする私。ここまで時間にして10分足らず。「えーなんでー??1人じゃ絶対弾けなかったのに、何で間違えないで弾ける様になったの?魔法みたい!」弾けてさぞかし喜ぶかと思いきや、当の本人は何が起こったのかわかっていません。まだ2年生でレッスンはじめたてのSちゃんには、部分練習という概念がないので。でも、何度か弾いて弾ける様になった達成感は感じているみたい。そしてこれを何度も繰り返す事によって、練習という言葉の本質を理解できるよう様になっていくのです。。。と先生は信じています!