2017.07.29
「家ではチャンと弾けてたのにこのピアノでは弾けへん」みるみる目からお水が流れ出し悔しさをぶつけている3年生のK君。
良いお耳してると感心しもって、「凄いね。違いの分かる男やね。私もこの音の響きに慣れるのには、チョッと時間がかかったんだよ。今迄とどう違うか実験してみよう」
お家では電子ピアノで練習している彼。電子ピアノとグランドピアノ。電子ピアノはあくまで電子。表現の範囲はごく限られ音の響き、伸び迄は要求しても仕方ないな。と、諦めざるを得ないところが〜〜
そこにもってきてチョットピアノ室を変化させた為、今迄と違う響きになり彼はそれにこだわったのです。
さあ、実験開始ー「私が、今から弾くから、どんな音の響きか聞いてね。チョッと難しいかも、でも、あなたなら絶対分かると思う。あなたの今弾いたのは、それで正しいのよ。ただ、一つ一つの音がお耳によーく聞くことができた為に弾きにくく、感じたの。」
「聞いててね。」と、未だ追求、研究、もがき、混乱、の中で自分の響きを追い求めているショパンの幻想ポロネーズを、出来るだけ心込めて彼が吐き気を催さない事を祈りつつ最期まで弾き終えました。
途中お母様のお迎えの車が見えたのですが、「さあ〜、じゃ、今週の宿題の曲、分析ゲーム。」一杯見つけて書き入れてくれました。「1回だけ弾いておこうね。」いつも通りのレッスン。
次が驚き‼️なんと楽しそうに初見で身体で弾いている。身体が揺れてる〜〜オマケに、横で待っていた弟さんが歌ってる〜〜
「アーわかってくれたのだと……」
焦らず、自分の音をシッカリ聞く。ピアノの音を掴む。
今日のレッスンは終わり。