2023.08.16
年間を通じてチェンバロで通奏低音奏者として演奏活動を行っています。
通奏低音とはバロック時代の演奏形態で、いわゆる「伴奏」みたいなものです。
「みたいなもの」というのは、楽譜に弾く音が罹れていません。
左手で弾くベースラインと「数字」が書かれています。
例えば、ドの音に「35」と書かれていたらドミソ、「46」と書かれていたらドファラ、というように。
もちろんこれはただの原則であって、旋律楽器や曲想(テンポ、速度)などによって音の増減やリズムを付けたり、メロディーラインにすることもあります。
このように、バロック音楽は「自由なもの」そして「低音のライン」「和声進行」がとても重要です。
楽譜を見て弾くとき、どうしても右手で弾くメロディーばかり気になりませんか?
そのときには左手のバスのラインの音楽がおろそかになっていることが多いです。
左手で音楽の流れを作っていくようにしましょう。
調性感も大事です。今弾いているのは何調なのか、そしてそれはどこまでなのか?終止形(カデンツ)を意識しましょう。
バッハなどバロックの楽譜には強弱が書かれていないことがほとんどです。
しかしそれは鍵盤楽器ならではの事情によるもの。他の器楽曲、歌の曲などにはfもpもあります。
チェンバロやクラヴィコードでは強弱をつけることは難しいことでした。
だから書かれていないだけ。(全くできないというわけではないです)
でも、皆さんが演奏しているのは強弱の表現可能なピアノ。
もちろん、ショパンやリストなどのようなドラマティックな表現は違いますが、先に書いた「和声感」「旋律の動き」「調性」などの楽譜の手がかりから豊かな表現を作っていきましょう。
当教室ではチェンバロ体験レッスンを行っています。
1回45分で楽器の説明と実際にチェンバロを弾いていただき、ピアノでよりよく弾くには、という観点でワンポイントアドバイスをさせていただきます。
生徒さま(と保護者)だけでも、先生が同伴されての受講も可能です。
バロック音楽の楽しさをお伝えできたらと思っていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。