2021.02.17
ピアノは、ピアノのレッスン内のみピアノを弾くのでは上達が難しく、
ご自宅での反復練習が上達の 鍵を握っております。
そのため、一般的なピアノ教室では、たとえキーボードでも、88鍵(本物の ピアノと同じ数の88鍵の鍵盤数)の購入を勧めております。
良い音、豊かな表現力でピアノ演奏をするためには、
繊細な音の違いを聴き分ける耳(センス)と鍛 えられた打鍵力が必要です。
そのため、ピアノのレッスンを始めるのであれば、アコーステックピア ノをお勧めします。
電子ピアノ(キーボード)は、デジタル技術により、音を作っています。
その音色はいつも同じで、 繊細な音楽の違いを表現することができません。
それに対して、アコーステックピアノは、打鍵をす ると、指先の動きがハンマーに伝わり、
ハンマーが弦を打って音を鳴らします。
そのため、打鍵によ り音色が毎回異なるため、豊かな表現力を身につけることができます。
また、電子ピアノは、簡単に音が出てしまいますので、手の筋力を鍛えることが難しく、
また、打鍵 と打鍵によって出てくる音との違和感により無理な力が生じるために、
手首の柔軟性を身につけるこ とができません。
アコーステックピアノは力んで弾いてしまいますと、全く響きません。
楽に脱力しないと、良い音が 出ないのです。
しっかりした「音」を出せるようになるまで時間はかかりますが、
日々の練習の積み 重ねで、必ずきれいな音が出せるようになります。
そして、同時に正しいフォームを身につける事が 可能です。
参考までに、私自身、ピアノ教室運営と演奏活動を平行して行っており、そのような中で、練習時間が足りないと感じる日があります。
しかし、夜中でも弾くことのできる電子ピアノの購入は全く検討いたしません。
電子ピアノは、よく試弾をさせていただきますが、
その中で感じることは、
アコースティックピアノとのタッチの差よりも
「電子ピアノだと音色のコントロールができない」
ことが気になります。
電子ピアノは、「強弱」はつけることができます。
よく、「強弱=表現」と勘違いをしてしまうことがありますが、強弱ばかりが表現ではありません。
表現には、強弱のほかにも「音色」というものが必要なのです。
音色のコントロールの一例として、
「うるさく鳴り響く強い音(悪いフォルテ)」
と
「豊かに響き渡る強い音(良いフォルテ)」
を、電子ピアノでは弾き分けることができません。
ピアノ演奏には、「うるさく鳴り響く強い音」を要求することはありません。
「豊かに響き渡る強い音」は、耳のセンスを伸ばし、テクニックを身につけることにより奏
でる事ができます。
従って、音色のコントロールができない電子ピアノでは、どうしても限界があるのです。
とはいえ、住宅事情などでアコーステックピアノをご自宅に設置することが難しい場合もあるかと思います。
ピアノの購入に関しては、それぞれの住宅事情を踏まえ、
何を優先するか、何を妥協するのかということを一緒に考えて、提案させていただきます。
当教室では、「与えられた環境の中で、精一杯学んでいくこと」が一番大切だと考えているため、
電子ピアノしか置けないなどという理由で、レッスンをお断りするようなことは決してございません。
与えられた環境下で精一杯努力することが一番だと考えております。