2020.10.06
《バスティンメソードとは》
ジェーン・バスティン先生 ピアノの演奏技術を身につけるだけではなく、音楽のあらゆる分野を学習しながら幅広い音楽体験がなされるように構成された学習法で、1970年代にアメリカのジェーン&ジェームス・バスティン夫妻により、創始・開発されました。
《導入期より全調の導入》
バスティン・メソードの順序だてたレッスンを取り入れることにより、ピアノ鍵盤の理解、リズム、聴音、和声、創作、即興演奏、移調、理論、テクニック、アンサンブル、初見、読譜、鑑賞、バランスの取れたレパートリーなど音楽のあらゆる分野を習得することが出来ます。
《生徒の学ぶ力を育てる》
これにより、生徒が早い段階から自分で学習する力を身につけることができ、「演奏を楽しむ」という音楽の本質的な価値を生徒に理解してもらうことができます。
《3つの特徴》
バスティンメソードでは、次の3つを柱にしてレッスンをすすめられるように構成されています。
(1)数こなし式
宿題は楽に弾ける曲を数多く持たせること。生徒にとって難しい曲を1、2曲宿題に出すのではなく、楽にこなせる曲を数多く弾かせます。これにより生徒は楽譜をみていろいろな曲がたくさん弾けたということに達成感を得ることができて、ますますやる気を起こすはずです。同じレベルの曲を数多くこなすことで、自然と真の読譜力がつき、初見もできるようになります。ちなみにバスティン先生は30分のレッスンで短い曲を15曲以上弾かせます。
(2)かみくだき式
新しい課題を無理なく導入するために、予備練習から基礎、応用、展開へと順序よく自然と指導ができるようつくられています。また主教材の「ピアノ」はもとより、「パフォーマンス」「テクニック」「併用曲集」などの教材を使って、いろいろな角度から、手を変え品を変えひとつの課題について学習できます。たとえば、スタッカートを学習する場合は予備練習、応用、展開へとステップアップしていくかたちになっています。
(3)逆算式
指導者は常にゴールから逆算して、生徒一人一人のそれまでの道のりを考えること、4期(バロック、クラシック、ロマン、近現代)の名曲を弾くために必要な音楽理論、テクニック、音楽性などを導入期から、各時期にあわせた形でバランスよく取り入れています。特に全調の移調は早い時期からの導入を目指し、4つにグループ分けして教えています。
《プレリーディングの重要性》
プレリーディングとは
小学校に入る前のこどもたちは、細かい差分を理解する能力が発達していないため、いきなり五線譜を理解させうようとしても、第一線と第二線の違いといった細かいを区別するといったことができません。こうした導入期の読譜をサポートするしくみとして開発されたものがプレリーディング譜なのです。
プレリーディング譜の導入
リズムと音の高低をイラストとあわせて五線譜を読む準備段階の楽譜です。音符には指番号と音名が書かれ、音符が宙に浮いたかたちです。 このプレリーディング譜を使うことによってはじめから両手10指を使って弾く満足感を味わうことができます。