2021.12.30
画家の奥村土牛さんの《吉野》の桜の絵を、学生時代に見つけて大好きになりました。
満101歳まで現役の画家として描き続けていたのは驚きでしたが、「芸術に完成はあり得ない」「どこまで大きく未完成で終わるかである」という逸話を知った時は、もっと強い衝撃を受けました。
よく考えれば、私達が何かの目標に向かって努力していたとしても《何をもって良い結果》と言い、《どんな形ならば完成したと言えるのか》あまり深く考える事はないですね。
誰でも思うような成果が出ないと悶々と悩む時がありますが、《大きな未完成に向けて進んでいる》と考えれば、少し気持ちが軽くなるのではないかと思います。
年明けて1月からは《発表会の練習がスタート》します。
レッスンと少し違うのは《本番に向けてレッスンをしなければならない》ので、思うように上達に導けない時、どうしたら良いのか?他の方法はないのか?と悩む事も多くなります。
でも、発表会はあくまでも《ひとつの通過点》にすぎないのです。
年の瀬に土牛さんの言葉を思い出し、生徒さん達はまだまだ《大きな未完成へ向けての道中である》のだから、撒いた種から芽が出る時期、花が咲くのを待つ楽しさを忘れないようにしなければ・・・と自分の気持ちをうまく整えて新年を迎えたいと思いました。