2025.05.15
昨日は、ご新規の生徒さん(大人の方)の初レッスンでした。
ピアノを弾き始めたばかりの頃は、誰でも指がなかなか思うようには動きません。
別の指が動いてしまったり、タイミングがずれたり…。
「不器用で…」とおっしゃる方もいるのですが、指が思うように動かないのは「不器用」ではなく、「物理的な体の仕組みとして、手の指を別々に動かしにくいようにできている」からです。
特に、3,4,5の指、中でも4の指(薬指)は、隣の指と一緒に動いてしまうようにできています。
私の想像ですが、人間の祖先から今の人間に進化してくる中では、「指を一本一本バラバラに動かすより、物をしっかり握ったりすることの方が、生き抜くためにはずっと大事だった」ということなのではないかなと思います。
「なので、動かそうと思ったのと別の指が動いたり、思うように動かせなかったりするのは、体の仕組みがそうなってるからなんですよ」
という話をしたら、「そうなんですね、なんだか安心しました😊」と。
さらに、後で調べてみたら、なんと脳の仕組み的にも、指を一本一本ばらばらに動かすようにはできていないようだ、ということがわかりました。
「人間の手も脳も、ピアノを弾くためにできてるわけじゃない」ということなんですね。
でも、ピアノを弾くためにコツコツと指を動かしていると、そのための指の動きも脳の回路も、少しずつ育ってきます。何歳からでも。
コツコツとピアノを弾いていて、ふと気がつくといろんなことができるようになっているものです。
その道のりを楽しんでいただけたらいいなと思います🎹
参考:
ピティナ 「ピアニストのための脳と身体の教科書 第04回 身体が動く仕組み (3)指が独立に動く仕組み」