2020.02.07
2020年は生誕250周年という事で、ベートーベン語り2回目です。
ベートーベンを描いた作品で、私が心残りに思い、印象が深く刻まれているのが、手塚治虫が描いた「ルードウィヒ.B」です。何故かと申しますと、遺作となってしまったからです。躍動感あふれるまま、さぁどうなる!という続きを読み手に連想させたまま、お亡くなりになってしまいました。
解説(作曲家.冨田勲)が、手塚治虫がピアノ弾く様子をこのように書いています。
テーマ音楽の打ち合わせに虫プロを訪れた際、手塚治虫が自分のイメージする曲想をピアノで弾いたそうです。
以下引用
いろんな名曲を引用しながらピアノを弾いた。しかし、このルードウィヒBの手塚氏の画による演奏の迫力とは程遠く、本人は半分照れながら弾いているようであり、はにかんでいるようでもあり、最後まで演奏し終わるなんていうことはなく、途中でパラパラといいかげんに鍵盤をこづきながら次の話をしだしたりしたが、それでも結構手塚治氏のピアノは彼らしい独特な雰囲気があって面白かった。そのピアノはホンキートンク的で、音のピッチがずれていて、そのずれがなんとも言えず、彼の漫画に出てくる酒場の場面を連想したりした。
1巻の巻末に、手塚治虫本人が、ベートーベンの部屋を実際に訪れた様子を伝えており「僕は自分がベートーベンと性格がひどく似ているような気がします」と書いています。
私が所有している本は、1993年潮出版社のもので、全2巻です。視覚から音楽が飛び出してくるような血の通った画力です。
お気に留められた方は是非読んでみて下さいね♪