2019.10.14
皆さんは、忘れられないメロディーや耳に残ってなかなか離れない旋律ってありますか…。
私はラヴェルの「ソナチネ」2楽章のメヌエットです。以前コマーシャルにも使われて、TVを通しても不思議と耳に残って離れないメロディーです。フランスバロックの大家、クープランやラモーを敬愛していたラヴェルが当時流行していた舞曲を踏襲して書いた作品です。ドビュッシーにも「映像第1集」の中に、その名も「ラモーを讃えて」というサラバンド風の曲がありますね。
メヌエットは楽譜2ページしかない譜面なのに、和声や転調の構成が見事で、弾いていてどこか懐かしく、遠い記憶を辿っているかような不思議な感覚が漂う曲です。「クープランの墓」のメヌエットもそうですが、古典舞曲を意識した作品というと、グリーグにも「ホルベアの時代」というフランス・イタリアバロック舞曲に倣い作られた、素晴らしい作品があります。
プレリュード、サラバンド、ガヴォット、アリア、リゴードンの5曲から成る組曲で、単独で弾いても聞き応えありますし、弦楽合奏で聴くのもオススメです。そういえばイタリアのレスピーギにも「リュートの為の古代舞曲とアリア」がありました🎶
レスピーギとラヴェルの似ている所といえば、「ローマの祭」や「ラ・ヴァルス」で描いた、ローマやウィーンの街の喧騒や、人々が踊りに明け狂う様子を描いているのがよく似ていますね。一夜の儚い夢か幻のような、一瞬で消え去る幻想を描いた曲…こうしてみると、初期に書いたソナチネは、フランス料理の小粋なエッセンスの効いた、前菜のような洒落た小品に思えます🎶
ショパンやリスト、シューマンも良いけれど、人前でリクエストされたら、ラヴェルやドビュッシーの小品をさらっと弾けるような、そんなピアニストになりたい✨と思いながら…
Shigeru-kawaiの音色は、ドビュッシーやラヴェルも素敵に奏でてくれて、いろんな想像を掻き立ててくれるのです🎹🎶