2021.08.07
静岡市駿河区「杉山典子ピアノ教室」のホームページをご覧くださりありがとうございます。
「ピアノを習う子のために親ができること」シリーズです。
電子ではなくアコースティックなピアノが置ける環境ならば、アコースティックピアノの方が色々なタッチによる音色の変化に気付き、自分の求める響きを探求するので上達します。
特に、熱心に練習する生徒さんなら尚更です。
ショパン先生もおっしゃっています。
「体の具合が悪い時は、エラールのピアノを弾きます。これだと簡単に出来合いの音が出せますからね。でも元気があって興が乗ってきて、自分だけの音を出してみたいなと思うときは、プレイエルのピアノが必要なのです。」
(ちなみに、エラールもプレイエルもどちらもフランスのメーカーのアコースティックピアノです。にもかかわらず、エラールは簡単に良い音が出せてしまうが、プレイエルは奏者の繊細なさじ加減が必要で、それいかんで粗雑な音にも極上な音にもなるということだと思います。ぜひ、エラール=電子ピアノ、プレイエル=アコースティックピアノと読み替えて見てください。)
「ショパンはエラールのような(出来合いの)美しい音がする楽器を長い事使うのは、危険なことだと考えていたのです。そんなピアノで弾いているとタッチの感覚が麻痺してしまう。軽く触れても強打しても同じなのです。いつも美しい音が出るし、充実した響きが耳に残るわけですから、耳だって他の音を求めなくなってしまいます。」
私も、本当にその通りだと思います。ただ、私の教室にも電子ピアノの生徒さんはたくさんおります。レッスンでは、お持ちの楽器による分け隔てなく、良い音、好ましくない音は伝えています。
もし、生徒さん自身が電子ピアノからアコースティックピアノへの買い替えを訴えてきたら、出来合いの音では満足できなくなっているという事です。自分自身の音を作りたいと思っているということです。
ひとつの才能があるということだと思います。
その才能を、伸ばしてあげたいものです。